出版社内容情報
《内容》 歯科臨床における現在のスタンダードに則り,臨床全般のスキルアップをめざし,可能なオプションも呈示.歯冠の崩壊をくい止め,機能回復し,審美性をも高めてゆく一連の処置に対するスタンダードとは何かを明示している.
《目次》
1章 患者さんへの対応……1
1 「主訴」,「それから」……1
1.インフォームドコンセントの歴史/1
2.「主訴」,「それから」の意義/2
3.医療者の心がまえと医療情報のやりとり/3
(高島昭博)
2 「主訴」への対応……7
1.患者中心の医療へ/7
2.診療の流れ/7
(征矢 亘)
3 「それから」への対応……11
1.主訴とは具体的なもの/11
2.臨床は,患者さんが主訴に伴う“物語”を携えて訪れる場である/12
3.それに関わる予防指導は/12
4.予防指導の受け入れは葛藤を伴う/13
5.ブラッシング指導を通した関わり/13
6.患者が語り始める,コミュニケーションの大事さ/15
7.発見的に関わる/16
8.関係性があるのみ/16
9.雰囲気,流れを大事にする/17
10.発見的に関わることのもう一つの意義/17
11.どのように身に付けるか/18
(丸森英史)
1st Presentation 齲蝕の予防と処置/20
中尾勝彦<司会>,伊古野良一,片山 昇,加藤賢祐,黒滝義之,斉藤佳雄,白神達也,高島昭博,仲村裕之,宮地建夫,安田 登<五十音順>
コラム 3ミックスとは 3ミックスの使い方/35
(岩久正明)
アンケートによる 齲蝕の予防と処置/38
2章 齲蝕への対応……45
1 感染症としての齲蝕……45
1.齲蝕の考え方の変遷/45
2.齲蝕の診断/46
3.初期齲蝕への対応/48
(藤木省三)
2 年齢層による齲蝕発生パターンの違い……50
1.小児期の齲蝕/50
2.成人の齲蝕/51
3.高齢者の齲蝕/52
(田上順次,加藤純二)
3 部位による治療方針の違い……53
1.隣接面齲蝕/54
2.歯頸部齲蝕/55
3.咬合面齲蝕/55
(田上順次,加藤純二)
4 齲蝕にしない,進行させない予防システム……57
1.予防に対する考え方,取り組み方/57
2.リコールを確立するためには/57
3.リコールで何をするか/58
(柏木伸一朗)
3章 有髄歯の実質欠損への対応……61
1 接着のメカニズムを知ッておこう……61
1.歯質(エナメル質,象牙質)への接着メカニズム/61
2.樹脂含浸象牙質の生成/61
3.脱灰象牙質の追放/65
4.象牙質・歯髄複合体の概念/66
(中林宣男,安田 登)
5.レジン接着のメカニズム/67
6.金属接着のメカニズム/71
7.セラミックス接着のメカニズム/71
(松村英雄)
8.切削象牙質(創面)の保護:象牙質コーティング/72
(秋本尚武)
2 修復処置をどう選択するか……1
歯質接着性コンポジットレジンをどのように使うか……74
1.接着性コンポジットレジン修復が可能にしたもの/74
2.成功のポイント/76
3.直接充填で対応ができない場合/81
(猪越重久)
3 修復処置をどう選択するか……2
間接修復用コンポジットレジン(ハイブリッドセラミックス)材料による修復……83
1.間接修復用コンポジットレジン修復のための窩洞形成/83
2.間接修復用コンポジットレジン修復の対象となる症例/84
(秋本尚武)
4 修復処置をどう選択するか……3
グラスアイオノマー修復が適している場合……87
1.グラスアイオノマーセメントの特性/87
2.光硬化型グラスアイオノマーセメントの適応/87
3.光硬化型グラスアイオノマーセメント修復法のポイント/88
(小野瀬英雄)
コラムコンポマーとは/89
(安田 登)
5 修復処置をどう選択するか……4
メタルによる修復……90
1.レジン修復(直接法)とインレー修復(間接法)の住み分け/90
2.従来型(非接着性)メタルインレー修復と接着性メタルインレー修復/92
3.接着性メタルインレー修復/94
4.MI歯学とメタルインレー修復/96
(冨士谷 キ興,新谷英章)
6 機能的で寿命のながい修復物を装着するための形態……97
1.インレー(アンレー,部分被覆冠)かクラウンか/97
2.インレー(アンレー,部分被覆冠)製作法のポイント/99
(吉田恵一,加藤 均,田中正信,三浦宏之)
2nd Presentation 齲蝕,歯髄への対応と修復法/104
(参加者:1st Presentationと同じ)
4章 歯髄の保護を必要とする齲蝕への対応……114
1 歯髄の診査・診断……114
1.痛み,バイタルテスト/114
(橋口 勇,赤峰昭文)
2.エックス線診断のポイント/118
(吉浦一紀)
3.歯髄を保存すべきか抜髄か?/124
(橋口 勇,赤峰昭文)
2 象牙質知覚過敏の処置……126
1.象牙質知覚過敏症とは/126
2.象牙質知覚過敏症の背景と増悪因子/126
3.象牙質知覚過敏症の治療法/128
(山本 寛)
3 露髄への対応-間接覆髄か直接覆髄か……130
1.歯髄の保存・除去の診断と歯髄保存の可能性/130
2.齲蝕歯の覆髄にあたって/133
3.感染歯髄の保存は可能か?/134
4.支台歯形成中の(偶発的)露髄に対する処置/134
(上野道生)
コラム 最新の歯科用小型エックス線CT(3DX)/136
(新井嘉則)
5章 歯内療法のポイント……137
1 具体的処置の術式……137
1.抜髄/137
2.感染根管処置/138
3.根管形成/140
4.根管充填/142
(吉嶺嘉人)
5.根管内異物除去/145
(中牟田博敬)
1 歯内療法と歯周治療との相関……150
2.発病における相関/150
2.治療における相関/150
3.治療後の留意点/154
(高島昭博)
3 歯内療法と補綴治療の相関……157
1.有髄歯補綴の利点/157
2.有髄歯補綴の欠点/157
3.無髄歯補綴の利点/158
4.無髄歯補綴の欠点/158
5.補綴治療の目的のために歯内療法が必要な場合/160
6.無髄歯補綴の留意点/161
7.根尖病変と咬合との相関/164
(高島昭博)
4 歯内療法の難症例……165
難症例を論じるまえに/165
1.歯内療法の基本的問題事項/166
2.歯の解剖学的特徴/167
3.難症例/169
4.根未完成歯/170
5.歯根破折/170
(牛島 進)
コラム エンドの最先端技術/173
(小林千尋)
3rd Presentation 歯髄の処置,歯の破折,支台築造を考える/174
(参加者:1st Presentationと同じ)
6章 歯髄処置後の実質欠損への対応……184
1 ポストとコアの目的と必要性を問う……184
1.失活歯の理解/184
2.失活歯の修復/184
3.コアとポストの適用法/184
4.ポストの考え方/190
(高島昭博)
2 破折歯根への対応……192
1.破折歯根の診断の目安/192
2.破折歯根接着・再植法の理論的背景/192
3.破折歯根接着の実際/192
4.臨床例 破折歯根の接着・再植保存法/193(斉藤佳雄)
3 支台歯形成……198
1.失活歯支台歯形成の基本概念/198
2.使用器具・材料/198
3.前処置(歯肉切除,歯周外科手術,小矯正)/200
4.形成前処置/200
5.補綴物別形成術式/201
(玉本光弘)
4 印象採得……206
1.印象採得の前提(歯周組織が健康であること)/206
2.印象採得を困難にする要因/206
3.暫間補綴物(プロビジョナルレストレーション)の重要性/206
4.歯肉圧排/207
5.印象(通法)/208
6.印象(個歯トレー法)/211
(安部倉 仁)
2 咬合採得……212
1.咬合採得材料/212
2.咬合採得,咬合器装着時にクラウンが高くなる要因と対策/212
3.咬合状態に応じた咬合採得法/213
(安部倉 仁)
6 テンポラリークラウンの目的 C留意事項,製作法……215
テンポラリーとは? Cプロビジョナルレストレーションとは?/215
1.テンポラリークラウンの目的/216
2.テンポラリークラウン作製での留意事項/217
3.テンポラリークラウンの製作法/217
4.製作法に関しての症例/218
(飯田良彦)
7 クラウンの形態……222
1.マージン部よりの立ち上がり/222
2.軸面形態/224
3.コンタクトポイントとエンブレジャー/226
4.咬合面形態/226
5.歯列の調和/227
6.形態の総論/227
(安部倉 仁,加藤了嗣)
8 材料および歯科技工との連携……229
1.金属材料/229
2.ポーセレン/232
3.硬質レジン,ハイブリッドセラミック/233
4.歯科医院とラボのチェックポイント/234
(中居伸行)
9 合着セメント,接着性セメントの種類……236
1.リン酸亜鉛セメント/236
2.ポリカルボキシレートセメント/236
3.グラスアイオノマーセメント/236
4.接着性レジンセメント/237
(山城啓文)
7章 審美への対応……241
1 患者さんの要求と歯科医師の思い……241
1.審美的歯科治療/242
2.SPA要素/242
3.患者の審美に対する恐怖心/243
4.歯科医師の思い/243
5.間/244
6.動き/245
(阿部成善)
2 審美についての考え方と実際……247
1.変色歯の処置法/247
(東光照夫,久光 久)
2.軟組織,硬組織のマネージメントと審美修復の実際/253
(水上哲也)
3.オールセラミックスの臨床応用/259
(若林健史)
8章 メインテナンスへの対応……266
1.メインテナンスの意義/266
2.二次齲蝕の予防/267
3.修復物そのものの耐久性を延ばすためのメインテナンス/268
4.患者さんへのアプローチの仕方/269
5.リコールシステムの構築/271
(安田 登)
9章 記録・情報 診断能力,治療技術のスキルアップのために……273
1 診療記録の充実……273
1.POSに基づく診療記録について/273
2.歯科医院でのPOS/274
3.POSの利点と欠点/278
(中野 充)
2 歯科医療・医学情報の収集と管理……279
1.大学から/279
2.学会から/279
3.同窓会から/280
4.歯科医師会から/281
5.個人主催の有料研修会/281
6.個人のスタディグループ/281
(西原廸彦)
3 歯科診療とコンピュータ……282
1.インフォームドコンセントとコンピュータ/282
2.デジタルカメラの利用/283
3.画像データの管理/284
4.患者説明用の模式図の作成とプレゼンテーション/285
(日高雄一)