出版社内容情報
普通って何? すみませんって何? っていうかって何?……日常語の持つ曖昧さ、難解さに立ち向かい、茫然とする、辞典型エッセイ。
読めば読むほど、日本語がわからなくなるんですけど。「普通」って何?「ちょっと」って何? 「っていうか」って何? ……。毎日何気なく使っている言葉の意味を、みなさんは本当に理解していらっしゃいますか? あまたの辞典類の頁をめくり、日本語の持つあいまいさ、難解さに正面から立ち向かい、時に茫然とたたずむ。小林秀雄賞作家によるユニークな辞典風エッセイ。
内容説明
「普通」って何?「ちょっと」って何?読めば読むほど、日本語がわからなくなる。
目次
あ
いま
うそ
えー
きく
ちょっと
ちがう
っていうか
なに
意見
リスク
社会
普通
適当
論理的
存在
才能
出世
景気
健康
秘密
信
つかれ
つまらない
スッキリ
すみません
すき
こころ
しあわせ
バカ
日本
私
著者等紹介
高橋秀実[タカハシヒデミネ]
1961年横浜市生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、ノンフィクション作家。『ご先祖様はどちら様』で第10回小林秀雄賞、『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』で第23回ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
to boy
29
これは面白いです。普段何気なく使っている言葉にこんなに奥深い意味があったなんて驚くと同時に日本人の心の奥深さ、歴史の深さに感嘆してしまいました。「言葉には意味がある」のではなく「言葉は意味をなす」という文章がすべてを表しているようです。固定した意味がある言葉を発しているのではなく、言葉を発することで新しい意味が付与されていくというダイナミックな考えに驚かされました。図書館本ですが、再読したいので購入しようかな。2016/10/23
Nobu A
16
高橋秀実著書3冊目。15年刊行。「言葉は恣意的である」で始まり、「言葉は意味をなす」で締め括る点はさすが。しかし、詭弁と言うか屁理屈と言うか、よくこんな風に書けるなと言うのが率直な感想。本著を取った理由は明瞭の対極にある「不明瞭」に触れることで日本語を「明瞭」に使えるのではと期待したから。この点は粗見事に裏切られた。でも「食べ物にはついては『好き嫌いがない』と言うのが子供時代から教え込まれたモットー」等、諧謔的な筆致が癖になるんだよな。筆者に会ってみたい反面、話すと面倒臭そうな感じがする。流し読み読了。2023/04/04
ヒラP@ehon.gohon
16
言葉に興味を持ち、それを深めていく作業は、すごくエネルギーが必要だと思います。そのうえで展開される自説の面白さを感じつつ、疲労感も覚えました。2022/07/13
koji
14
著者が日経新聞に連載していた「半歩遅れの読書術」(2018年8月)を楽しんで読んでいました。髙橋さんの文章は、もやもやした所を鋭く指摘し、そのユーモアと相まって、腹にストンと落ちる明解さがあります。本書も1/3は、正にそう感じました。「なに」辺りまでです。その後は、スッキリせず、「つかれ」を感じ、「つまらない」訳ではないが、頭にすっと入りません。思うに、話し言葉らしい動きを感じる言葉は、作者の本領発揮となるのに、「社会、存在」のような理屈が勝つ言葉は、抽象論の波に飲み込まれ言葉が生きていないからでしょう。2018/09/05
ふぇるけん
14
「はじめに」で言葉の意味の「意味ってなんだ?」というところから論理の無限ループに陥ってしまい、全編を通じて何がなんだかよくわからん、というのが率直な感想。でも、言葉って突き詰めると不思議ですね。面白かったのは「つ」から始まる言葉は粘着質があるというあたり。「行きつ戻りつ」「つきあう」「つまり」などなど。トーンは脱力系なので気楽に読めます。2016/03/08