出版社内容情報
中途半端な制度化に終わった戦後日本の学校図書館の苦闘と挫折の歴史をたどり直し,すぐそこに来つつある「主体的・対話的で深い学び」が求められる知識社会に対応するために,学術情報センターとしての新たな学校図書館と司書のヴィジョンを浮かび上がらせる.
目次
第1部 戦後の出発点の確認(戦後学校図書館制度成立期研究の現状;占領期における教育改革と学校図書館職員問題;戦後教育学の出発と学校図書館の関係)
第2部 教育改革と学校図書館(学校図書館における「人」の問題;教育改革と学校図書館の関係を考える;教育改革と学校図書館制度確立のための調査報告)
第3部 外国の学校図書館と専門職員制度(フランス教育における学校図書館CDI;米国ハワイ州の図書館サービスと専門職養成システム)
第4部 日本の政策的課題(学校内情報メディア専門職の可能性;日本の教育改革の課題と学校図書館の可能性)
著者等紹介
根本彰[ネモトアキラ]
1954年生。慶應義塾大学文学部教授、東京大学名誉教授。専門は、図書館情報学、教育学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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軍縮地球市民shinshin
9
学術論文集なので読むのに手間取った。本書は4部構成で、なぜ現在の学校図書館が社会的にも教育現場でも軽視されているのか、まず戦後教育を紐解いて検証したあと、教育改革と叫ばれた時に学校図書館法が改正されたが実質影響がなくなった経緯、日本がかつて教育制度に範を取ったフランスとアメリカについての学校図書館の実情、そして展望となっている。知識の詰め込みか調べ物中心の学習かで戦後70年間の教育行政は揺らいできたが、国際的には断然後者であり、学校図書館も単なる児童・生徒の読書センターではなく、積極的に調べ物学習に即した2020/07/17
飯田一史
0
学習指導要領の変化と学校図書館の役割の変化、それらの背景にある学力観の変化と、そうした目標から見たときの実態との落差(司書教諭とりあえず配置しただけで機能してない問題など)をこれでもかというくらい丁寧に辿った一冊。神本2019/09/29