出版社内容情報
「革新」的経済学の全貌
MMT(現代貨幣理論)が現代経済学のパラダイム・シフトを推し進める状況下、その鍵を握る重要人物としてハイマン・ミンスキーへの注目がかつてないほど高まっている。
ミンスキーと言えば、これまで「金融不安定性仮説」を中心に理解されてきた。先の金融危機でも「ミンスキー・モーメント」ないし「ミンスキー・クライシス」という言葉が金融関係者の間で囁かれた。
ミンスキー自身、金融的ケインジアンと呼ばれることを好んだものの、それは壮大なミンスキー理論の一端にすぎない。
本書では、ミンスキーを「不均衡」「不安定性」という観点から読み解く。
とりわけ「安定性が不安定性を生み出す(Stability is destabilizing)」という彼自身が残した印象的な言葉を繰り返し省みる。これにより、「均衡」をベースに構築された正統派経済学に対する「異端派」としてのミンスキーの立ち位置が鮮やかに浮かび上がる。
さらに、従来、全く見落とされてきた「最後の雇い手」という、貧困と失業に対するミンスキーのアプローチを本書ではしっかりと位置付けている。ミンスキーの弟子かつMMTの旗手がその源流に向かった最良の入門!
内容説明
「金融不安定性仮説」から「最後の雇い手」まで、『MMT現代貨幣理論入門』の著者でミンスキーの弟子によるミンスキー入門。
目次
第1章 ミンスキーの主な貢献の概要
第2章 われわれはどこで間違ったのか?マクロ経済学と選ばれなかった道
第3章 ミンスキーの初期の貢献―金融不安定性仮説
第4章 貨幣と銀行業務に対するミンスキーの考え方
第5章 貧困と失業に対するミンスキーのアプローチ
第6章 ミンスキーと世界金融危機
第7章 ミンスキーと金融改革
第8章 結論―安定性、民主主義、安全および平等を促進するための改革
著者等紹介
ランダル・レイ,L.[ランダルレイ,L.] [Randall Wray,L.]
1953年生まれ。米パシフィック大学卒業後、ワシントン大学セントルイスで修士号と博士号を取得。同校時代、ハイマン・P・ミンスキーに師事。現在、バード大学教授兼レヴィ経済研究所上級研究員。現代貨幣理論(MMT)の旗手として知られる
横川太郎[ヨコカワタロウ]
1983年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。現在、東京経済大学経済学部准教授
鈴木正徳[スズキマサノリ]
1964年生まれ。早稲田大学法学部卒業。1987年、第一勧業銀行入行。2002年より、複数の投資ファンド系資産運用会社に勤務の後、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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