ブルーバックス<br> 創薬が危ない―早く・安く・安全な薬を届けるドラッグ・リポジショニングのすすめ

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ブルーバックス
創薬が危ない―早く・安く・安全な薬を届けるドラッグ・リポジショニングのすすめ

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  • サイズ 新書判/ページ数 251p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062579032
  • NDC分類 499.1
  • Cコード C0247

出版社内容情報

エボラ出血熱が猛威を振るう中、その治療薬は未だ開発されていない。それどころか、我々の命を守る創薬に大きな危機が到来している。 医薬品産業は先進国が独占するのビッグビジネスであり、年間売上額が1兆円を超えるような巨大製薬企業(メガ・ファーマ)が巨額の開発費をかけて、新薬開発に日々しのぎを削っている。しかし、ガン、アルツハイマー病、インフルエンザ、エボラウイルス病……、私たちの病気への不安はいっこうに解消されない。
 なぜだろう?
 人類の歴史は、病気との闘いの歴史であり、創薬の歴史でもあった。ところが21世紀に入り、創薬が大きな壁に突き当たっている。いくら巨額な開発費をかけても、新しい薬が生まれなく(生まれにくく)なっているのだ。もし新しい薬ができなければ、私たちの未来は決して明るいものにはならないだろう。
 本書はその原因に探りながら、その対策として「ドラッグ・リポジショニング」という、新しい視点からの創薬を紹介する。

第1章 薬と創薬研究者
   1-1 もし薬がなかったら
   1-2 薬なくして、日本の発展なし
   1-3 薬ができるまで
   1-4 薬作りも役割分担の時代へ
第2章 ドラッグ・リポジショニングとは
   2-1 「2010年問題」の本質とドラッグ・リポジショニングの背景
   2-2 ドラッグ・リポジショニングのメリット
   2-3 ドラッグ・リポジショニングはなぜ可能か
   2-4 ドラッグ・リポジショニングの成功例と方法
第3章 温故知新創薬、ドラッグ・リプロファイリング
   3-1 ドラッグ・リプロファイリングによる新薬開発
   3-2 ドラッグ・リプロファイリングの方法
   3-3 胃潰瘍を起こしにくい抗炎症薬の開発
   3-4 新規アルツハイマー病治療薬の開発
第4章 ドラッグ・リポジショニングに関する国内外の動きとその推進への課題
   4-1 先行する欧米のドラッグ・リポジショニング
   4-2 欧米でのドラッグ・リポジショニングの問題点
   4-3 ドラッグ・リポジショニングと社会制度
第5章 ドラッグ・リポジショニングの実例
   5-1 テプレノンに関するドラッグ・リポジショニング
   5-2 既承認薬ライブラリーを用いたCOPD治療薬の開発
   5-3 既承認薬ライブラリーを用いたドライアイ治療薬の開発
第6章 これからのドラッグ・リポジショニング
   6-1 ドラッグ・リプロファイリング技術の共通基盤化
   6-2 既承認薬データベースの整備
   6-3 疾患データベースの整備
   6-4 インシリコ・スクリーニングとインシリコ臨床試験
第7章 スマートヘルスケアの提案
   7-1 スマートヘルスケアなくして、21世紀の医療なし
   7-2 ドラッグ・リポジショニングとDDS
   7-3 健康食品によるスマートヘルスケア
   7-4 運動や健康機器によるスマートヘルスケア


水島 徹[ミズシマ トオル]
著・文・その他

内容説明

ガン、アルツハイマー病、インフルエンザ、エボラウイルス病…なぜ、特効薬が現れないのか?動物で効いたのに、人ではまったく効かない。動物実験ではなかった激烈な副作用が現れた…。開発途中の新薬の多くが、臨床試験で失敗してしまう。21世紀に入り、これまでの創薬テクノロジーは大きな壁にぶつかっている。打開策はないのか?本書は新しい視点からの創薬「ドラッグ・リポジショニング」を提案する。

目次

第1章 薬と創薬研究者
第2章 ドラッグ・リポジショニングとは
第3章 温故知新創薬、ドラッグ・リプロファイリング
第4章 ドラッグ・リポジショニングに関する国内外の動きとその推進への課題
第5章 ドラッグ・リポジショニングの実例
第6章 これからのドラッグ・リポジショニング
第7章 スマート・ヘルスケアの提案

著者等紹介

水島徹[ミズシマトオル]
1967年東京生まれ。東京大学薬学部卒業後、山之内製薬(現アステラス製薬)研究員、九州大学助手を経て、29歳で岡山大学助教授、36歳で熊本大学教授に就任。2006年、我が国初の創薬研究センターの初代センター長に就任。2011年から慶應義塾大学薬学部主任教授。大学での教育・研究の傍ら、我が国のバイオベンチャーの草分け的存在であるLTTバイオファーマ(株)の取締役会長、及び中国の大手製薬企業である北京泰徳製薬の取締役副会長も兼務し、医薬品開発の先頭に立っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。