ソシュールの思想

ソシュールの思想

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  • サイズ A5判/ページ数 352,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000012201
  • NDC分類 801
  • Cコード C3010

出版社内容情報

近代言語学の父は20世紀人間諸科学に方法論と認識の共通基盤をもたらした.本書は『一般言語学講義』原資料を実証的に精査し初めてアナグラム研究等を紹介した.原初の記号理論と思想の全貌を明かす,決定版ソシュール研究.

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

65
現代思想の大本の一人ソシュールについての解説本。彼は自分の言語理論を本にしてないため、彼の残した不完全な手稿や数人の弟子の講義ノートが残されているだけだという。そのため、解釈する研究者の思い込みや資料不完全さのせいで誤解や曖昧な部分が多いという。丸山は資料を読みあわせで本来の理論の意味を探ろうとしている。専門用語が多く戸惑うところがあるが、なかなか面白い。労作だ。人間の言語活動はもっと自由であるはずだという思いがあり共感する。文学の力を再認識した。2017/02/05

1959のコールマン

30
【中間報告】丸山圭三郎自身が自分の著作の中での3冊に選んだ本のうちの一つ。ソシュールを「解読」でなく、あえて「思想」と付けたところに氏の自信がある。本書は大きく3部に分かれているが、基本は最初のⅠ、「ソシュールの全体像」だろう。そこでのポイントは2つ。1つめ。それまでソシュールの主著とされていた「一般言語学講義」が、正しくは弟子のバイイとセシュエが残された講義ノート(ソシュール本人のではなく、ソシュールの講義を受けた人たちのノート)を元に編集した本であり、正しくソシュールの思想を捉えていないこと、→2019/08/26

高橋大輝

10
現代における最も重要な思想の一つであるソシュールの言語学。現代思想に与えた影響は計り知れない。しかし、それほど大きな影響を与えた思想でありながら、専門家でさえ誤解してしまうことが非常に多い。なぜ、それほどまで誤解を引き起こすのか。そして、ソシュールが伝えたかった真の言語学とは何か。日本における著名なソシュール研究者である著者が、歴史的文脈や異説との比較を通してソシュール言語学の本質に迫る。内容は決して平易ではないが、言語学の基本的知識があればしっかり理解できる内容。何度も読み返し、血肉にしたい一冊である。2017/11/27

またの名

10
一部で話題の思弁的実在論は関係性より個体性を重視するらしいので構造主義以降のパラダイムが覆された印象を受けるけど、まだソシュール学は読むに耐える。生な指示対象としてのシニフィエと物質音であるシニフィアンが恣意的に結合している、といった通俗的理解を厳密な資料読解に照らして批判し、貨幣論との接合を目論んだテル・ケル派、言語の外部にある事物を想定したままのサルトル等の誤解を指摘。モノの連続体を言語によってコト化する人間は事物のみならず自らの意識も差異化する、という基本線を既に予習済みだと後半部の理解も良いはず。2015/10/12

有沢翔治@文芸同人誌配布中

5
 言語学の父、フェルディナン・ド・ソシュールは生前、一作も著作を出版しなかった。それゆえ、聴講生たちが編纂した講義録の『一般言語学講義』しか手がかりがなく、どこまでがソシュール自身の思想かが判然としなかった。しかしソシュール自身のメモが発見され、講義録の検証が可能となる。膨大なメモや手稿をもとに、本来のソシュールの思想に迫る。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51520248.html2021/08/21

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