出版社内容情報
人物本位の面白おかしい物語が歴史であってはならない.『新編日本史』の問題点を例にとりつつ,歴史教育とは,今日までの最高の学問成果をふまえ,生徒が,社会のしくみの変化を理解する目を養えるようにすることが基本だと説く.
目次
戦前の教育と教科書(「王道楽土」のとりあげかた;中国へ旅して現地をみる;戦前の学校教育;戦前の日本史教科書の編集方針;『初等科国史』のこと)
歴史をどう教えるか―『新編日本史』の問題点を手がかりに(教科書検定とは;教科書問題をめぐる論点;学問的・史実的根拠にもとづくべき;天皇・皇族のあつかいかた;政治のありかたの転換を理解させる;教育勅語のあつかいかた;大逆事件について;南京大虐殺の問題;極東裁判のあつかいかた;日本国憲法の評価;戦後改革とはなんだったのか;「天皇制」「地主制」;「帝国主義」「植民地」;検定の破綻;教育は政治から独立すべき;国際的な相互友好の原点 ほか)