出版社内容情報
南アフリカの「人種隔離」の実態を現地でつぶさに見た著者は,苛酷な黒人差別を憤りをもって告発するとともに,その背景を説き,この非人道的な体制が,実は貿易を通して私たちの暮しとも直結していることを訴える.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
89
2016年412冊め。G1000リスト入りしているブリングの『白く乾いた季節』でソウェト蜂起が描かれていて関心を持ったので、南アのアパルトヘイトについては調べてみたいと思っていた。その政策が国際的批判にさらされ、終焉に向かいつつあった1985年発行。ネルソン・マンデラがまだ投獄されていた時。日本はレアメタルや自動車メーカーの進出という貿易面の利益に目をくらませ、欧米各国が経済政策の具体化に躍起になっているのを傍観し、「名誉白人」の称号を頂いて喜んでいたわけである。2016/06/16