ワイド版岩波文庫<br> イスラーム文化 - その根柢にあるもの

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ワイド版岩波文庫
イスラーム文化 - その根柢にあるもの

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  • サイズ B6判/ページ数 233p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000071567
  • NDC分類 167
  • Cコード C0314

出版社内容情報

イスラームの宗教,その実現としての法と倫理,それらを支える基盤の中のいわば顕教的なものと密教的なもののせめぎ合い-イスラーム文化を真にイスラーム的たらしめているのは何か.その根元に迫る第1級の啓蒙書.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobi

71
これが一回一時間計三回の講演録(1981)とは思えない。日本最初のコーランの原典訳者でありアラビア語、サンスクリット語…等数十の言語に通じギリシャから仏教を含むユーラシア…の哲学思想の碩学の、副題通り「その根底にあるもの」の濃く深く熱い語りに引き込まれた。個々には入門的としても光の当て方は新鮮で立体的。イスラームの宗教と文化の構造が明瞭な姿で立ち現れてくる。特にイラン的人間を中心とした”Ⅲ 内面への道”は自身の禅体験を含む精神的遍歴も照射されてか高僧の法話のよう。現在の中近東情勢理解にもこのベースは必須。2017/08/11

イノ

23
他の本でイスラム教の事は知ってはいたので再読する形で読めた。 コーランとハディースによって宗教的儀式は勿論、政治やビジネスや日常習慣といったところまで体系化され、つまようじの使い方とか そこまでやるんだと驚いた。    スンニ派とシーア派の違いや根本となる考え方が分かりやすい。2016/12/11

河瀬瑞穂@トマト教司祭枢機卿@MMM団団長

16
非常に解りやすい。「イスラームって何だろう」と思ったとき、理解のための道筋を綺麗にピシッと引いてくれる一冊。もちろん全てがこれで理解できるわけではないですが、理解するための基本格子を作れる一冊でした。非常に面白かった、興味深かった。2012/08/10

ムカルナス

6
講演会の記録をもとにイスラム教精神をスンニー派、シーア派、スーフィズムの3方向から素人にも判りやすく解説した本。イスラム教が成立するや否やイスラム大帝国を築くことが出来た一方、近代になるとイスラムは対応できずに西欧の後塵を拝すようになったこと、現代においては聖俗分離をやってのけたトルコとシーア派国家イランがイスラム世界での大国の地位を確保してること、これらは全てコーランやイスラム教との向き合い方が関係しているようだ。イスラム教の全てが判ったわけではないが非常に参考になる本だった。2016/05/17

kanaoka 56

6
深い内容を非常に分かりやすく丁寧に纏めた良書です。 スンニー派(正統派)とシーア派(秘教的・異端的)の違いは、聖俗不分か区分かの違いでもあり、それは、アラブの非連続性、アトミズムに基づく世界認識、体感の鋭敏さと、ペルシャの幻想的、神話的な超現実的な感覚の違いを根源にしている。 さらに内面の道を究めたスーフィズムでは、自我の否定から無我に至って「我は神である」という、イスラムの歴史性を否定しかねない処まで行き着く。2016/05/03

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