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岩波文庫
犀星王朝小品集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 239p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003106631
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0100

出版社内容情報

伊勢物語ほか,平安朝文学に材をとった作品を集めた.哀しいまでの美しさを後代に曳く遙か王朝の女性たち.その情感の糸にふれ,人間の魂の奥底を恐ろしいほどに照らし出した詩人犀星ならではの小説世界.「姫たちばな」「津の国人」「玉章」「花桐」「荻吹く歌」「野に臥す者」「舌を噛み切った女」を収録. (解説 中村真一郎)

内容説明

哀しいまでの美しさを後代に曳く遙か王朝の世の女性たち。伊勢物語など、平安朝の文学に材を求め、彼女らの心のうちにある熾烈なまでの情感の糸にふれた犀星の王朝物語は、人間の魂の深部を恐ろしいほどに照らし出し、余人の及ばぬ独自の小説世界を現出している。「姫たちばな」など7篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メタボン

31
☆☆☆☆ 描かれる平安朝の女たちの何と哀しくも美しいことか。二人の若者に同時に求められ、二人の死に殉じ自らをあやめてしまう「姫たちばな」の橘。4年間男を待ち耐え忍ぶ「津の国人」の筒井。亡き夫の想いに寄り添う「玉章」の山吹。年下の男の愛情を受け入れ身をやつす「花桐」。昔の男とは身分、境遇が変わり果ててしまった「荻吹く歌」の生絹(すずし)。いずれの作品も詠まれる和歌が非常に印象深い。「野に臥す者」「舌を噛み切った女」は既読。2016/11/09

柊渚

17
「男というものにほだされると、こんなになるものとは思いませなんだ。こんなにも、女の生涯までも持ってゆくものだとは、まるでぞんじませんでした」 女性の美しさや強さが中心に描かれた王朝物の短編集。犀星の詩的な表現によって綴られる男女の恋事にただただ恍惚としました。 『花桐』では恋に溺れていく男女が描かれているのですが、共感の嵐というか、なんでこんなに女心を擽るのが上手なの犀星さん。恋愛は処刑であるって言っちゃうの的を得すぎてて、、めちゃめちゃ大好きです。⇒2021/06/08

双海(ふたみ)

13
哀しいまでの美しさを後代に曳く遙か王朝の世の女性たち。伊勢物語など、平安朝の文学に材を求め、彼女らの心のうちにある熾烈なまでの情感の糸にふれた犀星の王朝物語は、人間の魂の深部を恐ろしいほどに照らし出し、余人の及ばぬ独自の小説世界を現出している。「姫たちばな」など7篇を収録。(カバーより)2014/10/27

mahiro

10
平安時代頃の物語や説話を題材にした短編集。一人の姫を巡って二人の男が争う『求女塚』伝説の様な話や伊勢物語めいた話、それらの話に出てくる人達の心ばえは今の時代の私には理解し難いかも知れないが文も風情も美しい。私の好きな一遍上人絵伝や信貴山縁起絵巻などに出てくる風景や人々を連想しながら読んでいた。2016/02/06

7
★★★★☆(読中、話の身分設定など何処か矛盾・違和感を感じつつも・・いつの間にかそれらも忘れて物語に引き込まれ、その矛盾もまたひとつの持ち味として犀星独特の魅力ある王朝物語に仕上がっている。犀星王朝の「すべては社会を底辺の方から見上げている視点で描かれている」(中村真一郎氏)。確かに学者である折口信夫の書等とは明らかに内容描写や視点が異なる。というか中村氏自身王朝物語を書いているが・・解説での堀辰雄の犀星に対するコメントの引用が面白い。収録作品に起伏あるもののとても味のある小品集である。) 2011/11/28

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