出版社内容情報
哲学者アランが,ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全十曲を,さながら詩のテキストを扱うように注釈した作品である.小説仕立ての枠組の中で,ベートーヴェンの意志のドラマが,アランと旧知のヴァイオリニスト,姪の若いピアニストなど五人の登場人物によるプラトン風な対話を通じてあざやかに繰りひろげられる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
12
1927年初出。楽譜が連発で、疎いので、意味することがわからない。しかし、ヘ長調のところで、「文法家のつもりなら、ある音が真(vrai)であるとか、ある音が不正(injuste)とか、(略)については知っているべきだよ」(64頁)というのは重要である。政治家から発せられる音、道路から聞こえてくる騒音なんてのは、不正ではないかな。「つまり不正とは、音楽においては誤謬ということにほかならないのだし、また真だということは音楽においては真より以上」(同頁)。この指摘は意義深いと思った。音楽は約束する(105頁)。2014/01/09
蛇の婿
10
駄目。降参。全十章本文たかだか156頁のうち85頁六章目までなんとか読みましたがこれ以上この本読むよりほかの本読んだ方がいいという結論。理由としては私が音楽には造詣があまり深くなくアダジオとかアレグロ・モルトとか言われてもピンとこない上に、楽譜が読めないのでせっかくこの部分だよと本文で楽譜を載せて注釈してくれているのにどの部分なのかまるでちんぷんかんぷんだからです。つまり純粋に知識面が理由で私はこの本を読む資格が無いのですね。ちょっと逝ってきます。2019/05/05