出版社内容情報
イギリス人のユーモア,フランス人のエスプリ.これらを縦横に解剖して,笑いの二つの重要な要素であり,また生活の大切な潤滑油であるユーモアとエスプリの機能を明らかにする.東西のユーモア文学に詳しい著者は,興味深い定義や実例を豊富に引用し,ブラックユーモアについても論じ,一読巻をおくことを忘れさせる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒダン
12
ユーモアとエスプリは真面目さを攻撃し笑いを誘うという点では似ているように思えるが、実はかなり違う。ユーモアはイギリス出身、とぼけた味が魅力で形式と内容のズレが漸次的に現れるようなものを言う。断片的な定義はあるが、完全に定義はできない。エスプリはフランス出身で瞬発力が自慢、返し言葉で意図的に思いもよらない共通点を突くことを言う。ユーモアとエスプリは真面目さを攻撃する方法であり、うかつに振り回すことはよくない。しかし笑いは緊張を緩和させてくれるし、何よりも世界には攻撃されるべき偽の真面目さが存在する。2015/11/17
Shin
5
このまえ読んだ『笑いのセンス』で引用されていた本。ユーモアとエスプリの違いを軸に、人間社会に必要不可欠な「笑い」という要素の様々なあり方について考察する。ユーモアは「僕は木偶の坊です」=自分の境遇を笑うということであり、エスプリは「あなたは木偶の坊である」=他人を笑うということ、という例えは分かりやすい。が、取りも直さず我々全てが木偶の坊であることを知り、エスプリとユーモアを駆使して互いに微笑しながら生きていくことで平穏が得られる、という(アンドレ・モロアの)洞察は、人間社会への深い理解に根差している。2012/02/19
あなた
5
アレはアンドレ・ブルトンに見直された作家。こどものころから相手をやり込めようと「必死」だったらしい。あまりに「必死」だったので福武文庫のラインナップにアレのコント集も入った。でも、福武はもう絶版だからこっちは「必死」にさがさなくちゃあならない。2009/07/16
讃壽鐵朗
4
人の説と例を羅列しただけの本だが、性質上致し方ないのだろう2016/07/07
motoso
2
アレの話は笑える2008/09/17