出版社内容情報
詩は,密室の孤独な思索から生まれなければならないのか.閉塞し沈滞する現代詩の世界を活性化するために,何が可能か.著者は連歌・連句にならい,日本詩歌の伝統である共同制作に活路を求めた.「連詩」の誕生である.谷川俊太郎,茨木のり子氏や海外の詩人らとこの二十年重ねてきた刺激的な実験を回想し,新鮮な発見を語る.
内容説明
詩は、常に密室の孤独な思索から生まれなければならないのか。閉塞した沈滞する現代詩の世界を活性化するために、何が可能か。著者は連歌・連句に触発されて、共同制作という日本詩歌の伝統による新しい形、「連詩」に活路を求めた。谷川俊太郎、茨木のり子氏や海外の詩人らとこの20年重ねてきた刺激的な実験を回想し、新鮮な発見を語る。
目次
1 連詩とはなにか
2 かえりみれば
3 さまざまな試み
4 英語でつくる連詩
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山がち
1
詩(非定型詩)を読むこともなければ作ることもなく、詩論さえ読んでいない私にとって、詩の一行一行、一文字一文字に作者はどのような関わりを持っているのかというのが分からないが、他人と連詩をすること人前で詩を作ることにとてつもない抵抗感を覚えるというのは非常に興味深い。連歌や俳諧に対してどのような形式をとるのか、四行詩~一行詩と変えていく試みなどは、その結果から色々と興味深いが、これを加藤楸邨のように短詩形に慣れている人とそうでない人がどれほどいるとどうなるかということももっと考えられていたら良かったとは思う。2013/12/03
桜井晴也
0
「時代や文化がいつ、どのようなものであろうとも、政治宣伝や教育、あるいは単なる娯楽に飼いならされていない詩というものは、ある種の最も重要な個人的知覚や社会の内部でなされる選択の記録となるのである。詩は、現に存在する限定をのりこえ、人間存在の真実のより一層正確なモデルを創造し続けようと奮闘する人間精神の実験記録なのだ。説得し説き伏せるのではなく、行動的な省察を刺激するのが、詩だ。」2009/04/15
セツコ
0
連詩を巻く、連詩をつくるということは他者を知る努力をするということ。 次の詩なんて簡単に続けていくのだろうと思っていたが、やはり何時間も苦しむこともあるということで、そりゃそうかとなんとなく安心した。2021/11/09