内容説明
日本語の起源を求める長い歩みの中で、著者がぶつかった疑問の数々と、まるで謎解きのような論証過程。これら論文にやさしい導入を付してまとめる。本居宣長のモノノアハレ論とその恋愛体験、藤原定家の仮名遣いの原則、言語構造に表われた日本人の思考法など、文字の背後にある人間的営みを解き明かした古典語研究の精華。
目次
1 語学と文学の間―本居宣長の場合
2 モノとは何か―ものがたり、もののあはれの意味
3 日本人の思考と日本語
4 日本人の思考と述語様式
5 『万葉集』巻第十八の本文について
6 仮名の発達と文学史との交渉
7 仮名遣の起源について
著者等紹介
大野晋[オオノススム]
1919年、東京に生まれる。東京大学文学部卒業。国語学者。文学博士。学習院大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ユウティ
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想像よりカタイ本だったなあ。本居宣長の人生が物語の解釈に影響を与えているとか、出だしは面白かった。読み進むうちにだんだん文法の話が多くなってきて…。結局気になる部分だけささっと読んで終わりになってしまいました。2015/01/25
ayaka
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日本語を舞台にした超傑作推理小説。 読みながら「音」を、1500年前の「声」を聞く本。 それは文字が音符だった頃の詩。 どんな謎が解かれたか忘れたら、井上ひさしの解説ラブレターにざっくりまとまっているので参照。2013/02/27
MrO
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いつ読んでも刺激される名著。宣長の論考は自分にとって青春の一ページ2010/02/28
あだこ
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文学に寄ろうとしているからか、本居宣長らへの愛がたぶんに感じられる。ときに曇ったその読みはあたるも八卦あたらぬも八卦。2009/11/10
いちはじめ
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古語に関して非常に平明に書いてある好著。2006/03/01