内容説明
『源氏物語』と双璧をなす平安女流文学の珠玉、『枕草子』。「春は曙」に始まる自然と人生に対する鋭い観察眼、限りない愛着と犀利な批判。独自の感性と文才とが結実した不朽の随筆は、宮廷生活の光と陰を鮮やかに描き出す。本書は、三巻本系統で冒頭に大きな欠脱のない第二類本の弥富本を底本に、詳細な語釈と余説、現代語訳を施す。
目次
春は曙
頃は、正月
正月一日は
同じことなれども聞耳異なるもの
思はん子を法師になしたらんこそ
大進生昌が家に
上にさぶらふ御猫は
正月一日、三月三日は
よろこび奏するこそをかしけれ
今内裏の東をば〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
41
『源氏物語』と双璧をなす『枕草子」。自然と人生への鋭い目線が新鮮でした。独自の視点で光と闇を描いているのが興味深いです。詳細な解説があるのも嬉しいところです。続きも読みます。2023/05/03
しゅてふぁん
20
『学術文庫』だけあって、原文、現代語訳の他に語釈と余説があり、とても詳しく解説されている。枕草子の全文を原文で読んでみたい、それならば解説の充実したものを、と思い手に取ったけれど、詳細すぎる語釈と余説に時間を取られて大変だった…(^^; 気になったのは『七八 返る年の二月廿日より』。涼・仲忠(宇津保物語の登場人物)の話で定子サロンは盛り上がっている。清少納言は仲忠派(笑)枕草子の他に『公任集』でも記述があるくらい、涼・仲忠優劣論は当時しきりに行われていたらしい。これは気になる。『宇津保物語』を読まねば!!2017/03/04
そり
12
講談社学術文庫版は、こまかく振り仮名をあてていたり、括弧書きで省略されている文字を表したり、見た目に騒々しい。正しい読み方を知るための、補助的な役割として使う。2015/03/04
翠埜もぐら
11
古典勉強用なので読了済とします。先は長そう。2023/08/18
風太郎
7
平安文学は難しくて、原文だけだと半分ぐらいしか理解できませんでした。それで結局、訳文に頼った形の読書になりました。それでも、平安時代の中宮の元に作られたサロンの雰囲気は十分味わえました。中巻も読むつもりですが、また訳文に頼り切ることになるでしょう。2018/10/17