内容説明
『痴人の愛』『春琴抄』『卍』『鍵』。谷崎の描く男はいつも、女に徹底的に翻弄されます。その女が皆「魔性の女」。美しい姿態と自由奔放な性格に魅了され、破滅さえもいとわぬ男たち。それは美しきものに執着し続けた谷崎の分身でもあるのでしょう。濃厚で妖艶な愛の世界。あなたもきっとその虜に。わかりやすい評伝・名作の要約・音読したい名場面・人気作家のエッセイなど、文豪の新しい魅力が発見できる画期的なシリーズ!全7冊。
目次
何から読めば面白い?これなら絶対はずさない!超早わかり!谷崎作品ナビ
「あらすじ」ではありません!名作の艶を体感。10分で読む「要約」谷崎潤一郎
名文は体と心に効きます!とっておきの名場面を紹介。声に出して読みたい谷崎潤一郎
谷崎大好き著名人による熱烈エッセイ!私、谷崎のファンです
人生がそのまま小説に。美と性のグルマンは、こんな人だった!評伝 谷崎潤一郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅
89
どれ一つシッカリと読んだ事がない。「春琴抄」と「細雪」は映画で観た程度。「猫と庄造と二人のおんな」は是非読んでみたい。2014/11/08
しゅてふぁん
53
次なる谷崎作品は『卍』をと思いつつ、なかなか長編小説を読む習慣が取り戻せず。ひとまず文豪ナビを読む。‘評伝谷崎潤一郎’で谷崎の生涯を知る。うわぁやりたい放題の人生だ…流石です、谷崎先生!!79年間に40回の引っ越し!家族は大変だっただろうな。‘声に出して読みたい’で紹介された文章を全て声に出して読んでみた。断然‘春琴抄’が勢いのある文章で、もっともっと読みたいという衝動に駆られた。ということで、今から春琴抄を読みます。2019/01/31
優希
51
谷崎は「女性の性」を描いた作家なのだと思いました。愛を描いても女に翻弄される男の絵が浮かびます。濃厚で妖艶な世界だからこそ、自分は惹かれるのかもしれません。2023/08/03
なつ
42
官能と倒錯が織り混ぜて書かれる谷崎潤一郎の小説。数作しか読んでいないのですが、作風やハイライトが分かりやすく解説されており、この本を読んで一気に興味が出てきました。個性豊かなファム・ファタルが揃う「悪女カタログ」も女性への探求心の深さが伺えますね。作家の導入にふさわしい、ガイドブックだと思います。2021/10/30
クプクプ
41
谷崎潤一郎の作品は2012年に一通り読みましたが、そのとき私は無職で、作品のよさがわかりませんでした。しかし、今回は非常に面白く感じました。それは私が今は仕事をしていて収入もあるし彼女もいるからだと感じました。谷崎潤一郎は読者が贅沢な暮らしをして初めて、よさがわかる大人の作家だとおもいました。齋藤孝のコラム、本上まなみさんと桐野夏生さんのエッセイがよく、島内景二の評伝も興味深かったです。谷崎が猫を抱いた写真、谷崎が万年筆より毛筆を好むのは面白かったです。今の自分の境遇から特に「痴人の愛」を再読したいです。2018/11/22