新潮文庫
ムカツクからだ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 287p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101489216
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C0137

内容説明

ティーンエイジャーが「ムカツク」という言葉を連発している。小学生から大学生まで1300人にアンケートを実施、日々の生活や行動のなかでのリアルな実感を探り、身体論、コミュニケーション技法を下地として、現代の若者の身体感覚を解き明かす。否定的感覚に呪縛された心と「かったるい」身体にカツを入れて、自分の個性の源となるエネルギーの回路を開こう。

目次

1 プロローグ―「ムカツク漬け」の現実
2 流行の実態―どういうときにムカつくのか
3 表出の形態―重いムカツクと軽いムカツク
4 ムカツクの本質―「瞬間的に沸き上がる、やり場のない、吐き気」
5 飾りのリアリティ―口癖としての軽い「ムカツク」
6 感性の変質―感情を「処理」するムカつけない身体
7 若者による批判―ムカツクは「小さい人間」の防御壁
8 エネルギー発散の方法―ムカツクからだは「かったるい」
9 ムカツクの系譜―『罪と罰』『嘔吐』の大衆化
10 脱皮への処方箋―ムカツク蔓延状況に何ができるのか
11 エピローグ―「ムカツク」構造

著者等紹介

斎藤孝[サイトウタカシ]
1960(昭和35)年、静岡生れ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。『身体感覚を取り戻す』(新潮学芸賞)、『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞)など著書多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

17
ムカツクという言葉が氾濫する背景を探る。むかつくという言葉はもはや今となっては聞かない。学校だとまだ言っている人がいるかもしれないが、後は、病院で胃がむかつくという程度か。半分懐かしさを覚えながら読んだ。2017/03/16

はこいり

4
この時のムカツクは、今で言うウザいと近いものなのかな?と思いながら読みました。何かにつけてウザいを連呼していた時は、周りの全てにイライラしていて、けれど言語化できずに、漠然とした黒いモヤモヤがずっと心にこびりついて辛い気持ちでした。ウザいという言葉は、放っても心を晴らしてはくれませんでした。今、少し自分の弱さや感情と向き合う心的余裕ができて、あの時は多面的な感情のほんの一部分しか機能させていなかった事に気づきました。易しい言葉に逃げずに、自分と向き合おうとする姿勢が大切だと思います。2020/12/06

Yoko Oishi

3
「ムカツク」ということについて、身体的側面や社会的側面から考察した一冊。随所に織り込まれる中高大学生による「ムカツク考察」も面白い。言葉が先行することの怖さも思い知らされる。自分が使う言葉を見直すきっかけにもなった。2014/07/07

うさぎ

1
「ムカつく」…… ある時期は多用していたが、ある時期からあまり使わなくなった気がする。 この言葉について多角的かつ具体的に語られている一冊であった。 良く言えば若者さ青さが感じられる言葉であり、悪く言えばボキャブラリー・語彙力の少なさに伴う幼稚さを感じざるを得ない言葉である。 ついつい口にだしてしまいそうな時も多々ありながらも、「ムカつく」感情を生じないような生活・人間関係を築いていくことが何歳になっても重要なことであると感じた。2021/08/20

はなまるこ

1
「ムカツク」とは何か。本来の意味は。さまざまな年代の意見も書かれています。思春期って、毎日イライラしてたなあ。

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