中公新書<br> 日本人の表現力と個性―新しい「私」の発見

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中公新書
日本人の表現力と個性―新しい「私」の発見

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  • サイズ 新書判/ページ数 174p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121009975
  • NDC分類 810
  • Cコード C1281

内容説明

日本の社会には“集団的私語”が充満している。そもそも私語がはびこる原因には、言語的にいって、日本語では話し手の立場の共通性があり、さらにその奥には、日本人の意識のありよう、すなわち「即物性」と「即時性」がある。本書は、集団的私語の根底にひそむものは、日本語特有の「私語」性と「集団」性だと考え、これによる言語と文化の関係を日本文学のテキストを中心に検討し、日本人の視点、表現力、その個性をさぐる。

目次

第1章 日本人の感性(現実をどう捉えるか;表現の質―叙景と抒情;日本語の音韻と現在感;日本語の構文―現実の追求)
第2章 日本語の社会性(話し手の言語;話し手の共感、視点の集団性;客観性と社会性)
第3章 現代日本文学の問題(語り手の声と複眼の視点;客観小説『花影』の中の大岡昇平;『藪の中』新釈;池田満寿夫の『エーゲ海に捧ぐ』;キリスト教と日本語―遠藤周作の『沈黙』;戯曲の客観性について;高橋源一郎『優雅で感傷的な日本野球』)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

富士さん

4
アニメの表現を論じる時に不可欠な下手・上手を論じる際に参考になる本。必要なところをパラパラ。ものの書き方と同様に、日本では右から出て左に入る。だから上手は右、左大臣は向かって右。しかし、西洋では左から右が常識。日本でも横書きは左から右にしたし、中国やセム語圏では違う部分がある。それによって同じ絵を見ても別の意味をとってしまうのか?絵を見ることも社会や文脈による記号の解読と考えれば、文の理解と共にある種の語用論が適用できる可能性もあり、これを一つの流れで論じる本書は個性的だと思います。2021/05/05

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