中公新書<br> 朝鮮半島の食と酒―儒教文化が育んだ民族の伝統

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中公新書
朝鮮半島の食と酒―儒教文化が育んだ民族の伝統

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  • サイズ 新書判/ページ数 193p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121014436
  • NDC分類 383.8
  • Cコード C1239

内容説明

朝鮮半島に由来する飲食物は、日本の外来食文化の中でも、今や最も普及しているもののひとつである。それほど身近で、今や「日本の食べもの」になったともいえるものだからこそ、それらが、どのような文化的背景で生まれ育ってきたのかを概観する時に来たともいえるのではないか。本書は、風土や社会という条件の下で、どのような食材が、どう調理され、どんな食習慣に従って消費されてきたのかを、簡潔に紹介するものである。

目次

1 キムチ
2 トウガラシの文化
3 ニンニク
4 塩辛と食醢(馴れずし)
5 冷麺
6 儒教と肉食文化
7 儒教文化と飲料
8 匙文化と料理
9 調味料の文化
10 酒の文化

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nnpusnsn1945

44
韓国料理やお酒について解説している良著。日本と韓国は政治では荒れるが、食文化については日本でも浸透している。キムチは中央アジアでも見られるが、ソ連時代の朝鮮族強制移住から伝わったそうだ。焼肉屋は中国にも出店しているが、日本文化の逆輸入で出来たようである。2021/03/13

つまみ食い

8
キムチをはじめコチュジャンや肉食、マッコルリなど朝鮮の食文化の歴史を栄養価などのトピックとともに概説。日本と同じく仏教の影響が強く、しかも生類憐みの令に似た政策を早く行っていたにもかかわらずなぜ肉食が盛んになったかについて元の占領の影響から論じた箇所が特に興味深かった。2024/03/05

にゃん吉

5
キムチ、焼き肉、麺、調味料、酒等いくつかテーマを選んで、朝鮮半島の食文化を概説。食文化が生まれた要因について歴史、地理的な分析あり、キムチ、味噌、醤油等については、作り方の解説も詳しく、面白い。朝鮮半島の代表的な料理のイメージが強い辛い料理について、唐辛子の伝来、普及により定着したもので、朝鮮半島の料理の歴史から見て古いものではないと指摘されていること、朝鮮半島で喫茶の習慣に乏しいこと、肉食が普及したことの要因として、仏教が廃れ儒教が盛んになったことが指摘されていることなど興味深くありました。  2019/11/23

unpyou

2
プルコギとは料理名ではなく客自身が焼く焼肉のスタイルのことを指す、とか、辛子明太子とはスケトウダラを韓国語で明太と呼ぶ事に現れるように戦後日本に移入された朝鮮料理である、唐辛子は日本から入ってきており当初は半島では「倭辛子」と呼ばれていた…等の豆知識も面白いし、半島に肉食文化が定着した要因はモンゴル支配により肉食遊牧民が支配階級に入ってきたことや、仏教→儒教の宗教ヘゲモニー変化に伴い仏教の肉食戒が衰退したためであることなど、食文化の後景にある文明史にも言及した好著。読んでて相当韓国料理が食べたくなる。2017/04/10

ちいたま

1
朝鮮半島の食文化について、地理的条件や歴史的沿革、さらには栄養学的観点など、様々な背景から論じています。日本各地に独特の食文化が根付いているのと同様に、朝鮮半島でも気候条件や文化的背景から各地の食文化には大きく差があり、特に北朝鮮の食文化については興味を惹かれるところです。日本と朝鮮半島とは、地理的に近く、植民地支配の時代があったこともあり、長い歴史の中で相互の文化に深く影響を与え合ってきました。食文化も、一見全く異なるようですが、背景を学ぶと相互の影響が見えてきます。2023/12/06

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