内容説明
環境ホルモンの野生動物への影響が話題となって久しいが、今や、子宮内の胎児までもが複数の環境ホルモンに汚染されていることが、著者らの研究からわかってきた。アメリカでは近年、ある種の先天異常の発生率が上昇しており、その原因として複合汚染が考えられている。本書は環境ホルモンのヒト、とくに胎児への汚染の実態を明らかにし、次世代に取り返しのつかぬ影響を与えないための環境予防医学を提唱する。
目次
第1章 次世代に対する責任と義務
第2章 広がる化学物質汚染
第3章 新しい化学物質汚染としての環境ホルモン問題
第4章 野生動物への複合曝露影響―ヒトへの影響の前兆
第5章 ヒトへの影響
第6章 子宮内環境への影響
第7章 微量化学物質汚染への対応策
第8章 胎児を基準にした環境予防医学
著者等紹介
森千里[モリチサト]
1960年(昭和35年)2月8日、札幌に生まれる。1984年、旭川医科大学医学部卒業。京都大学助手(医学部解剖学第3講座)、米国国立環境健康科学研究所/米国国立衛生研究所(NIEHS/NIH)Visiting Associate、京都大学助教授(大学院医学研究科生体構造医学講座)を経て、2000年より千葉大学医学部教授。2001年より千葉大学大学院医学研究院環境生命医学教授、現在に至る。医学博士(京都大)。専攻:発生学、環境生命医学、解剖学
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感想・レビュー
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羽
12
☆☆☆☆☆ 予防医学に詳しい方に紹介してもらいました。環境問題とりわけ化学物質問題に関して、わたしたちは次世代に対する責任と義務があると感じた一冊です。15年以上前の本ですが、胎児が化学物質に汚染されて生まれてくることや、化学物質がヒトの体の中に入る経路は食べ物や飲み物からと皮膚からと呼吸からの三種類あることなど、今知っても遅くない内容ばかりです。特に子どもを産む前の人にはオススメです。本日、予防医学セミナーに参加し、化学物質に対する意識が高まりました。まずはシャンプーなどの日用品を見直そうと思います。2018/01/26