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芸術の条件―近代美学の境界

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  • サイズ A5判/ページ数 288,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130802055
  • NDC分類 701.1
  • Cコード C3070

出版社内容情報

「芸術」という概念は,近代ヨーロッパの「美学」という学問と共に誕生した.「芸術」を成立させているものは何か.「美学」へと人々を駆り立てた動因は何か.美的なものを「所有」「国家」「歴史」といった政治的な視点から解明し,「美学」それ自体に変容を迫る試み.

内容説明

「芸術」という概念は、18世紀ヨーロッパにおいて「美学」という学問とともに誕生した。それゆえ、「芸術家」「芸術作品」「創造」「独創性」といった芸術にかかわる諸概念の形成も、この近代的な学問の成立と軌を一にしている。しかし、美学の確立へと人々を駆り立てた動因は何であったのか。その答えは制度としての美学それ自体の内に求めることはできない。なぜなら美学の外部にあるものが、その成立を支えているからである。前著『芸術の逆説―近代美学の成立』では、「芸術家」「芸術作品」などの近代美学を内的に構成する基礎概念の歴史を扱った。本書は、「所有」「先入見」「国家」「方位」「歴史」という美学の外の視点からその外部と内部の関係を描き出し、従来の美学史を批判的に検討する。新たな美学の構築にむけた芸術の概念史。

目次

プロローグ 中心の喪失―「新しい神話」あるいは「ゴシック幻想」
第1章 所有―近代的「所有権」思想と「芸術」概念
第2章 先入見―習慣の詩学あるいは趣味の政治学
第3章 国家―美学と政治学をめぐる近代性の行方
インテルメッツォ 中心の遍在―ノヴァーリスあるいは政治的汎神論の美学
第4章 方位―表象としての「東西」「南北」から見た近代的芸術精神の成立
第5章 歴史―普遍と特殊の交叉
エピローグ 中心の批判―ヴォリンガーによる「ヨーロッパ中心主義的」芸術史の批判とその行方

著者等紹介

小田部胤久[オタベタネヒサ]
1958年東京に生まれる。1981年東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科、ハンブルク大学哲学科に学ぶ。1988年神戸大学文学部助教授。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tieckP(ティークP)

1
前著が美学のうちに美学を厳密化していくような試みだったとすれば、姉妹編であるこちらは美学が成立するうえで、それまで他の学問で用いられていた概念などを導入しながら、どう新規の学問として独立・完成されたかを述べた著書。こちらのほうが意欲作と言えるかもしれない。言葉の曖昧性を排した、それでいて日常の日本語から乖離しない、かくあるべき言語の用いられ方がやはり印象的。難点があるとすれば、エピローグに到達して少しは肩の力を抜いて読めるかと思いきや、これも論文を改稿したもので、最後まで油断が許されないところだろうか。2017/10/30

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