内容説明
その朝、新聞の広告欄を目にした町の人々は驚きの声を上げた。「殺人お知らせ申しあげます。12月29日金曜日、午後6時30分より…」いたずらか?悪ふざけか?しかしそれは正真正銘の殺人予告だった。時計の針が予告の午後6時30分を指したとき、銃声が響きわたる!大胆不敵な殺人事件にミス・マープルが挑む。
著者等紹介
クリスティー,アガサ[クリスティー,アガサ][Christie,Agatha]
1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な臆測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マローワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている
田村隆一[タムラリュウイチ]
1923年生、1943年明治大学文芸科卒、1998年没、詩人、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
499
マープルのシリーズにしてはトリッキーな一冊。メインの仕掛けの絡みもあって、前半は奥歯に物の挟まったような会話ややり取りが続き、ピンとこない人にとってはものすごく退屈な可能性がある。最初の殺人はすぐに起こるものの、次の死者が出るまでがその調子で、導入部の雰囲気の良さが減じられている。ただ、最後まで読むと、ちゃんと「読んでよかった」となる。乱歩などは高く評価しているらしいが、視点が変わればガラッと評価が変わるタイプの作品。解決編の前に出てくるマープルのメモ書きは、話を盛り上げるための無理くりだと思う。2018/01/29
雅
113
新聞に殺人予告が載せられた事で始まる。二転三転するスリリングな展開に切ないラスト。時間はかかったけど楽しく読めた。2019/12/19
MICK KICHI
103
<マンスリー・クリステイー> 冒頭の有名な掴みの面白さと期待感、そして... これまで星五つクラスの作品を読み続けてくると、冗長さと薄っぺらさで肩透かしをつかされる感じ。クリステイーの醍醐味は人間心理の秀逸な描写にある事に改めて納得。単なる謎解きとしては面白い部類なのかなと思うが、読んでいて背筋が凍り、溜息がつかざるを得ないあの「アガサ感」がここには無い。この作品に関してはブラックさがもっとあってもいいのかな。せめて「ABC」ぐらい...。善良さが起こす悪意が中途半端なのかもしれない...。2019/03/21
yu
101
Kindleにて読了。ドラマ化ということで、ドラマ見た後に読了しました。なので、犯人バレバレで。まぁ、何となくこれは予想つく結末だったかな。ドラマは、大地真央さんの化けの皮がはがれた時の表情が凄まじかった。さすが大女優さん。2019/04/15
中原れい
99
やはりクリスティはすごい。地方新聞に意外な広告が出たのを見てから人が集まるまでを人物紹介に使うだけでなく、驚いてから野次馬根性出すまでの描きわけ方が見事。犯人、トリック、警察の追及…それだけでない各キャラの心理表現もいい。長めの中間部分も読みどころが多くて自分は飽きなかった。2015/03/21