内容説明
日の丸の赤は太陽の色だが、多くの国で国旗の赤は建国の犠牲となった人びとの血の色である。イスラーム教国の国旗に緑が多いのは天国にあるコーランの原盤が緑色だから。白羽の矢が立つのは実は不幸なこと。サンタクロースの衣装は赤ではなく、ウェディングドレスも白ではなかった。日本で喪服が黒になったのは明治時代より後。このように、色彩にまつわる故事来歴、そして色のイメージは、各民族が幾世紀にもわたって育んできた文化そのものといえる。色彩に隠された民族・国家の歴史を解く。
目次
第1章 東西南北にも色がある
第2章 国旗のなかの色彩の世界
第3章 聖書のなかの色彩地図
第4章 イスラーム世界の緑色
第5章 赤の語源は血!
第6章 青い血の謎
第7章 皇帝色、黄禍、そしてユダヤ人の色
第8章 白い世界と黒い世界
第9章 歴史のなかの色彩地図
色彩の小事典
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
262
国旗からも色が違うように各国の価値観の違いが色に現れているんだなと思った。日の丸のような丸をつける国は太陽を表している、十字はキリスト圏の国とかまぁ面白い内容が多かった。2015/05/13
佐島楓
49
世界各国の色のとらえ方を、宗教や歴史などと関連付けて紹介した本。こういうものはある程度国別、地域別にまとめたほうが読みやすかったと思う。ミイラ色という色が存在していた衝撃。2015/09/23
舟華
15
惜しい!惜しいぜ!!各章の頭と地図だけはカラーにしてほしかった。内容が興味深かっただけにそこだけは残念。色関連の書籍を読んでいると、やっぱり宗教のことがたくさん出てくる。詳しくない私にはわからない。学ぶ欲求がここに。 ◆なによりも巻末の「色に関係した言葉」に一番興味をおぼえた自分がよくないと思うの。2018/02/10
ナキウサギ
12
たまに思い出して再読するんだけど、 、、、、。 『色』という漢字の成り立ちは、男女が重なっている図、という書き出しから始まる。 国旗の解説も面白く読めた。 巻末にある、色にまつわる言葉のなかの 『青は藍より出でて藍より青し』 は、お気に入り。
Akito Yoshiue
6
面白いのだがカラーページで見たい部分が多かったのと、記述の繰り返しなど構成が散漫な点が残念。2019/01/18