内容説明
人の声、鳥のさえずりや羽音、動物の鳴き声や足音、自然の生みだす、樹々をわたる風、小川のせせらぎなど、『万葉集』の「音」に関わる表現、表記、語法、音韻の問題、さらに音楽制度などを通して万葉びとの音の感性に迫る。今日とは著しく異なる万葉びとの「音環境」に思いをめぐらしてはいかが。
目次
万葉歌と歌謡と
「声の歌」・「文字の歌」
人にかかわる「音」世界
『万葉集』の獣歌にみる音の表現―鹿の歌を中心として
『万葉集』に鳴く鳥
万葉からの視線―桓武天皇歌のホトトギス
自然の音
響かぬ楽の音―家持がうたわなかった「音」
東北アジアの弓の音
上代語における「音」に関しての私見
古代の音楽制度と『万葉集』
古代日本の王言について―オホミコト・ミコト・ミコトノリ