内容説明
今昔物語集の「世界」はいかなる論理に基づいて構想され、テクスト内に具現化されたか、或は、されなかったのか。可能態のまま封殺された「今昔」の達成と破綻を考察。今昔物語集に蠢く人類の性としての欲望を追う。
目次
1部 仏陀・仏法・聖徳太子(仏陀と天竺―天竺化をめぐって;仏陀・阿難・仏法―媒介者の役割 ほか)
2部 歴史叙述と編纂意識(平安期説話集の歴史叙述と今昔物語集;三国意識と自国意識―本朝仏法伝来史の歴史叙述 ほか)
3部 天皇・〈公〉・国家(仏法と王法―別種の仏法王法相依論;三国世界の王と天皇―遍在する天皇と本朝 ほか)
4部 世界構想と反世界=ノイズ(構築と破壊の迫で―普遍性・個別性、そしてノイズ;似而非なる世界―〈漢的〉言説との絶望的な距離 ほか)