出版社内容情報
トリックか文学性か? 探偵小説の本質を生涯追究した乱歩のアカデミックな一面を示す『鬼の言葉』『随筆探偵小説』ほか、魅惑のミステリー論を収録。戦前日本探偵小説の絶好のガイドブックでもあり、また、カー、ウールリッチ、チャンドラーら新風に触れての熱弁は、時を超えて読者を魅了してやまない。
目次
鬼の言葉(自序;日本探偵小説の多様性について;探偵小説壇の新なる情熱 ほか)
鬼の言葉・拾遺
探偵小説十五年(亡き先輩・同僚のこと;「悪霊」前後;「石榴」囘顧 ほか)
随筆探偵小説(自序;推理小説随想;アメリカ探偵小説の諸相 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
40
この巻には、表題作のほかに探偵小説十五年、随筆探偵小説とすべて評論集です。推理小説といわないのが時代性を感じさせてくれます。また内容はほとんどが外国の小説の評論ばかりで日本の小説はまだほとんどすくなかったので(捕物帳は除いて)あまり論じてはいません。このように外国のものの評論を読んでみると、懐かしくなり再読してみようかなという気にさせてくれます。2014/12/29
Gen Kato
2
再読。乱歩の熱い「探偵小説愛」に打たれます。この情熱によって日本のミステリ界は産声をあげ、現在の繁栄への礎を築いたのでしょう。マニア万歳。2014/01/06
まんたろう
1
乱歩本人は探偵小説に憑かれたもの、マニアというような意味合いに比重を置いて“鬼”という言葉を使っています。 しかしながら、ここに集められた乱歩の探偵小説評論、随筆は、現在我々が「仕事の鬼」などといった使い方をするように圧倒的情熱に満ち満ちたプロフェッショナルの文章群です。 自らを眼高手低と悩んだ乱歩だからこその熱意と苦悩に溢れた一冊。 一本筋が通っていて、ボリュームのある読み物としては若干飽きなくもなかったけど、通読して良かったです。2019/06/25
Kotaro Nagai
0
探偵小説評論の「鬼の言葉」は、乱歩の探偵小説第一人者であるという矜持と冷静な中にも熱意が感じられる。2008/02/05
いちはじめ
0
「鬼の言葉」収録の「日本の探偵小説」が、当時活躍した日本人ミステリ作家を紹介していて、貴重2011/06/05