内容説明
デイム・マーゴ・フォンテーンは、半世紀にわたるプリマ・バレリーナとしての華麗なキャリアを通じて、全世界に踊りのマジックを伝えてくれた。そして本書は、BBCで放映された同名のテレビ・シリーズから、その端を発したものなのだが、著者はここで踊りのマジックの5世紀にわたる変遷を、実に魅惑的な独自の見解にもとづき披露しているのである。ダスンの歴史をたどりながら著者は、私たちをルイ14世のヴェルサイユ宮殿へと誘い、さらに19世紀の帝政ロシアへと案内してくれるのだが、そこに舞うのはイサドラ・ダンカンであり、アンナ・パヴロヴァであり、ニジンスキーなのである。そしてその流星群はヌレエフの成功へとつながっていく。また、ロシアにつづきフランス、デンマーク、オーストリア、イギリス、アメリカとバレエやダンスが花開いた国々からは、あまたのエピソードがとりあげられ、過ぎ越し方の有り体と意義はより鮮明にされる。しかし本書が重きを置くのは、そうした歴史的なことばかりではなく、最も強烈なスポット・ライトは人間に当てられている。すなわち、フレッド・アステア、バリシニコフ、カルサヴィナ、ジョセフィン・ベーカーと数限りないダンス界の重鎮の赤裸々な人物像が次々に登場する。
目次
ダンス・マジカル
男性舞踊手の時代
モダン・ダンスの先駆者たち
ロシア・バレエの開花
妖精たちの踊り
舞踊芸術の誕生
伝統の創造