目次
「子ども理解」の今日的課題と臨床教育学(子どもたちの声に耳を傾けることから;人間発達の原点に立ち戻って;子どもを支えるおとなの新しい共同へ ほか)
カウンセラーから見える子ども・学校(カウンセラーから見える子ども・学校;気づき・表現し・受けとめられる;「声を聞く」ということ ほか)
小・中学校における特別支援教育の課題―軽度発達障害児の理解と教育実践(特別支援教育と通常学級の教育実践;軽度発達障害による困難をもつ子どもをどう理解するか―診断・アセスメントと臨床的な子ども理解)
著者等紹介
田中孝彦[タナカタカヒコ]
1945年、北京(中国)に生まれる。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。東京大学、東京経済大学、北海道大学を経て、2003年より都留文科大学教授。教育思想・臨床教育学専攻
筒井潤子[ツツイジュンコ]
1959年、広島に生まれる。1984年、大阪市立大学生活科学研究科(臨床心理学専攻)前期博士課程修了。臨床心理士。京都市児童福祉センター(情緒障害児短期治療施設)青葉寮セラピストを初めに、教育相談室、スクールカウンセラーなどを経て、2005年より都留文科大学
森博俊[モリヒロトシ]
1948年、東京に生まれる。東京教育大学教育学部特殊教育学科卒業。東京大学大学院教育学研究科教育史・教育哲学専攻修士・博士課程(満期退学)。1981年より都留文科大学教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
5
2006年初版。臨床教育学という学問分野は新しい分野です。その特徴は、子ども理解のカンファレンスです。それは、子どもの声に寄り添うことから始まり、人間発達の原点に立って、子ども個人が持っている困難の理解を大切にしつつ、それが現代の子ども・青年に通底する性格を含んでいるという視点だとも言えます。それは、何かを教え込む教育とは違い、発達する力に寄り添い、信頼する教育学ともいえるのではないかと思いました。子ども理解は実践ではとても難しいものです。そうした実践に臨床教育学が持つ意味を考えることのできた本でした。2014/08/22