内容説明
「芸はどこまでも磨かなければならぬが、その鍛錬と云う事に意味があるのであって、鍛錬すれば上達するとはきまっていない」「…若い人は何か一芸を身につける様にすすめ度い。芸道も学問の一つである。ただそれによって身を立てない限り道楽と呼ぶゆとりがある」(「道楽のすすめ」より)鳥飼、虫のこえ、琴、…道楽者の面目躍如たるアンソロジー。
目次
阿呆の鳥飼
蜻蛉玉
風呂敷包
伝書鳩
目白
鶏鳴
雀の塒
牝鶏之晨
銘鴬会
続銘鴬会〔ほか〕
著者等紹介
内田百〓[ウチダヒャッケン]
1889‐1971。小説家、随筆家。岡山市の造り酒屋の一人息子として生れる。東大独文科在学中に夏目漱石門下となる。陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学などでドイツ語を教えた。1967年、芸術院会員推薦を辞退。酒、琴、汽車、猫などを愛した。本名、内田栄造。別号、百鬼園
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感想・レビュー
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いきもの
3
百鬼園先生、趣味のお話。といってもここまで読んできた人ならば、内容としては馴染み深い話ばかりであろう。さりとて、百鬼園の文章術の妙味にて、やはり面白いし、味わい深い。集成の15巻とあってはもはや、先生の文章に惚れた人ばかりが読んでいるような本である。2020/05/26
nora
2
どれだけ読んでも面白さが目減りしない百鬼園先生の随筆。この集成もすでに15巻、でも・・・残りがたった9巻しかない、と今からもう不満に思うほど。全24巻を読み終えたら、また最初から読みかえしたりして・・・。2012/07/16
ハイカラ
0
随筆集。鳥や琴や虫の声について書かれていた。文章は面白おかしくひねくれていて、読んでいると楽しい気持ちになれる。いい本だった。2014/10/12
Zn
0
百鬼園先生の随筆。趣味のはなしが多め。前半にいっぱい出てくる小鳥がかわいい。蜻蛉玉、風呂敷包、続阿房の鳥飼、しみ抜きがすき。先生はあいかわらずあほ。2011/11/11