内容説明
「一体写真と云う物は横暴である。どの位私の寿命が薄くなったか量り知ることが出来ない」とおっしゃる百〓（けん）先生。とは云ふものの、あれやこれやと集めてみたら、奇妙、珍妙、謹厳、実直、酔態、笑態なるご尊影がなんと１９０点余。全体から抜粋した百〓（けん）先生の名文やこの写真帖のために寄せられた、阿川弘之・久世光彦・石田千各氏の随筆を味わいつつとくと御覧あれ。新発見資料、百〓（けん）中学時代のノート＝「随感録」の写真と内容の一部も収録。
目次
内田百〓（けん）の人生―年譜
阿房列車
立腹帖
間抜けの実在に関する文献
贋作吾輩は猫である
まあだかい
タンタルス
深夜の初会
蜻蛉玉
たらちおの記
著者等紹介
内田百〓［ウチダヒャッケン］
１８８９‐１９７１。小説家、随筆家。岡山市の造り酒屋の一人息子として生れる。東大独文科在学中に夏目漱石門下となる。陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学などでドイツ語を教えた。『冥途』『旅順入城式』『百鬼園随筆』『阿房列車』など著書多数。１９６７年、芸術院会員推薦を辞退。本名、内田栄造。別号、百鬼園
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感想・レビュー
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nora
9
２年かけて「百閒集成（全２４巻）」を読破しました。いやほんとに阿川弘之の「百閒先生置き薬説」に大賛成です。はしゃぎすぎた時、気鬱な時、煮詰まった時、暇な時、苦しい時、悲しい時・・・・どんな時でも、この全集をひもとけば、あーら不思議、ココロはふわふわと浮世を離れ、苦虫を噛み潰したような百鬼園先生の背後に漂って、先生が繰り広げるあれやこれやをニヤニヤと目撃することになります。とっても素敵な常備薬になりますです。いやそれにしても、１５５Ｐの写真は中村嘉葎雄にそっくりですね。映画『まあだだよ』は彼がやればよかった2013/02/26
なみ
7
百閒先生の写真満載。阿川弘之、久世光彦、石田千の随筆もよかった。2015/09/24
いきもの
2
ファングッズ2021/10/04
ホークス
2
内田百閒の作品が好きな人にはおすすめ。百閒の元気な姿を沢山の写真で見ることができる。特に列車や飛行機と一緒に写る百閒は生き生きとしている。頑固さと茶目っ気が渾然とした、正に愛すべきひねくれジジイ。戦争前後の駅や旅館の風景には懐かしさも感じる。「冥土」等の幻想小説は不思議な不安を掻き立ててくれるし、エッセイも、人嫌いなんだか寂しがり屋なんだかよく分からない、一筋縄ではいかない独自の世界観で大好きだ。2015/01/06
yunomi
0
百閒の雑文からの抜粋と写真で構成された、まあこれはこの選集のカーテンコールの様なもの。それにしても、同じ作品が選集の中に重複して収録されているとか、筑摩書房の仕事いい加減過ぎるわー。2012/03/06
