ちくま新書<br> 漱石を読みなおす

  • ポイントキャンペーン

ちくま新書
漱石を読みなおす

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480056375
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

内容説明

19世紀末から20世紀の戦争の時代にあって、個々人の「個性」を置きかえ不可能な差異として認め、「自己本位」の孤独な闘いに生きた漱石。漱石とは誰かという問いに対する固定した答えを裏切りつづける、永遠の差異化運動=「漱石」。このミステリアスな作家の生涯と文学を新たにたどりなおし、その魅力を鮮やかにくみあげたフレッシュな再入門書。また漱石が面白くなる。

目次

第1章 猫と金之助
第2章 子規と漱石
第3章 ロンドンと漱石
第4章 文学と科学―『文学論』の可能性
第5章 大学屋から新聞屋へ
第6章 金力と権力
第7章 漱石の女と男
第8章 意識と無意識
第9章 個人と戦争

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

9
帝国主義化がすすめられていく明治の日本と、そこであくまでも「個」として対峙していく漱石が実に鮮やかに描き出されています。また、個々の作品(特に猫から前期三部作)の「読み」にも目を開かれる思いです。2011/12/20

ぶらり

7
漱石を社会的背景と社会における漱石個人の位置付けから読む一冊。漱石トリビアといった感じで豆知識の取得満足感大。「漱石の世界」を何倍にも拡張して思考したいならお奨め。筆者の社会背景から作品を解釈する手法は勉強になるが、社会背景から作者漱石を解釈する手法は構造主義的でゲンナリする-筆者の批判的視点を漱石に埋め込んで代弁させている感が強い。当時の資本家資本主義の下で、その社会的生活背景を特異化して描くのは、「金之助」の知識レベルとして当然の態度であり、「漱石」の科学レベルとして当然の手法選択だったのではないか。2010/09/22

あなた

6
キーワードは、「権力」である。しかも日常に掩蔽されながらも、ねづよくはりめぐらされた「権力」のことだ。ひとは「権力」なしにいかなるコミュニケートもできない。いや、コミュニケートすることは「権力」を行使することなのである。小森陽一の生い立ちを知る人間なら、コモリヨウイチという男が漱石テクストと向き合うことで「小森陽一を読みなお」していることにすぐ気付くだろう。それは、自己言及性を失いながらも、他者を抑圧し続ける無自覚な「日本」への復讐でもあったといっていい2009/09/07

遠藤三春

5
漱石の生涯と作品の中からみられる漱石という人物について。猫、子規、倫敦、文学論、金、意識、戦争など。新書なので読みやすく解説されています。2011/05/20

tetuneco

4
しまった!漱石読んでへんかった!2008/04/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/417289
  • ご注意事項