出版社内容情報
ウルグアイ・ラウンド合意を受けて日本ではコメのミニマムアクセスが始まった。95年からスタートしたWTO体制のもと、アメリカ・EU・豪州・中国のすばやい食糧戦略に対して、戦略なき日本の姿が浮かび上がる。
内容説明
本書は、ウルグアイ・ラウンド農業交渉とは何であったのか、その争点はどこにあり、いかなる交渉を通して妥結し得たのか、そしてそれのもつ歴史的意義はどのようにとらえればよいか、ということを明らかにするのが第一の課題である。そのうえで、主要各国がいかなるスタンスで交渉にのぞみ、いかなる論理と外交技術を駆使しつつ妥結にいたったか、さらにその合意をふまえて、いかなる食料、農業戦略を展開しようとしているか、という点に分析と考察の光を当てようとした。
目次
第1章 WTO体制とは何か―ガットからWTOへ
第2章 新農業法下、供給管理を廃し市場対応型生産へ―アメリカ
第3章 効率と環境の両立を追求する農業・農村戦略―EU
第4章 規制緩和と環境保全に徹した食料戦略―オーストラリア
第5章 市場経済化のなかの食料自給戦略―中国
第6章 農政改革の戦略構想なき日本