出版社内容情報
本書は比較文学の起源と歴史を概観し、その方法がどんなものであるかを、「目的と方法」「文学的コスモポリティスムの伝達者」「様式・主題・影像」「影響と成功」「源泉」「ヨーロッパにおける大きな流れ――思想・主義・感情」「見たままの外国」の七章にわたって考察し、この学問の現状と将来を語っている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jozo
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フランスの学者がフランスの読者を対象に書いた比較文学の本なので視点がとてもフランス的。国文学との対比としてコスモポリタニックな意味での「世界文学」、「比較文学」は好きなのだが、ここで語られる語りにはもっとナショナリスティックなものが感じられる。とはいえ国内に限定せず文学を考える試みというものは閉鎖的な国文学的な視点よりもずっと面白いと思う。ラシーヌの影響力がフランス国内と国外で全然違うことや、スタール夫人によるドイツ賛美がいかに生まれたかの話など面白かった。2024/03/31
