出版社内容情報
1939~1945年、共産主義とナチズムに踏みにじられたフランスとドイツとの国境地帯を、豊富な資料をもとに臨場感あふれる文体で再現。教科書が教えない歴史へのアプローチ。
内容説明
フランスとドイツとの国境地帯から、悲痛な叫び―。1939年~1945年のアルザス・ロレーヌを、豊富な資料をもとに臨場感あふれる文体で再現する本書は、ナチズムや共産主義、国家と地方、歴史と記憶など、現代的諸問題への理解を深化させてくれる基本図書。教科書が教えない歴史へのアプローチ。
目次
第1章 国境地帯からの立ち退き
第2章 戦争(1939年9月~1940年6月)
第3章 帝国への回帰
第4章 ドイツ化とナチ化
第5章 マルグレ=ヌ
第6章 抵抗運動、脱走、対独協力
第7章 解放
第8章 フランス行政府の復帰
終わりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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1
ドイツとフランスの間、特殊な地域の戦時史。一番印象に残ったのは「内地」フランスと本地方の戦後の精神的な乖離を記した最後の部分。ドイツに併合させられたとみるか、ドイツ側に立ってフランスを迫害したとみるか。今に至るまで感情の対立があったのは初めて知った。2022/03/03
MK
0
係争地として歴史の中心であったこの地域は、大戦期に大きな犠牲を強いられたうえで現在はEU共同体の中心地の一つとして君臨するに至った。そのEUの中心構成国とは、普仏戦争以来この地域の鉄鋼と石炭の取り合いに明け暮れたフランスとドイツである。全く皮肉な話だろう。2018/03/13