平凡社新書
反時代的毒虫

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  • サイズ 新書判/ページ数 234p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582852448
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0291

内容説明

私小説における「虚点」とは何か。命の通った言葉、通わない言葉とは何か。いかに女を描くか。創作と金をめぐる関係とは。小説とは、「虚実皮膜の間」に漾う人が人である謎を書くことである。異形の作家が私小説の真髄を語り尽くす。江藤淳、白洲正子、水上勉、河野多恵子、奥本大三郎、中村うさぎ、高橋順子。反時代的毒虫と七人の「魂の対話」。

目次

第1部 私小説、言葉、女(私小説に骨を埋める(江藤淳)
人の悲しみと言葉の命(白洲正子)
隠花としての文学(水上勉))
第2部 銭金の話(覚悟の文学、命がけの浪費(中村うさぎ)
文学カネ問答(河野多恵子、奥本大三郎))
第3部 夫婦句会(春宵夫婦句会(高橋順子)
駄木句会(高橋順子))

著者等紹介

車谷長吉[クルマタニチョウキツ]
1945年兵庫県生まれ。作家。慶應義塾大学文学部独文科卒業。20代の頃より小説を書き継ぎ、92年に上梓した『塩壷の匙』で三島由紀夫賞、芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。98年、『赤目四十八滝心中未遂』で直木賞を受賞し、脚光を浴びる。主な作品に『漂流物』(平林たい子文学賞)、『武蔵丸』(表題作で川端康成文学賞)など
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感想・レビュー

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チェアー

8
好きな人、尊敬する人と対談しているせいか、毒虫としての毒はそれほどない。ただ、全体を通じる私小説というものへの向き合い方は、なるほどと思った。中村うさぎとの対談はまったく噛み合ってない。この人には、話の端々に出てくる「嫁はん」(高橋順子さん)と出会ったことがすごく大きかったのだなと感じた。2020/05/13

hf

3
11/6夜。水上勉との対談がよかった。水上勉、嘉村礒多、葛西善蔵を読もうかなと思った。水上と中野重治は福井の人なんだなあと。私より3つくらい下で国文学科のひとは、去年か一昨年に聞くと最近水上勉を読んでいると言っていたが。奥本大三郎と河野多惠子との鼎談もよかった。水上との会話では、車谷は三島由紀夫が死んだ日から太宰治全集を読み始めたと語っていて、そのことは他でも書いているかもしれないけどわたしは初めて知った。2023/11/07

サカナ

3
江藤淳さんや白洲正子さんらとの対談をまとめたもの。文学についての教養が試されます。私は半分もわかりませんでしたが知識欲が刺激されました。最後に奥様の高橋順子さんとの句会の話も掲載されていました。大変読み応えがありました。2019/06/23

s_n

1
対談集。水上勉も車谷もワープロというのが最も衝撃。ワープロで「思うた」なんて文章を書いているのは奇妙な気がする。2018/07/18

小鈴

1
中村うさぎとの対談部分のみ立ち読み。奥さんラブですね。頑固一徹な感じもなかなか。うさぎと微妙にズレて話が進むのがまたよし。著者の語り口が知人に似ていて少しドキっとした(笑)2009/03/27

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