内容説明
親や世間の欺瞞に満ちた「きれいごと」が、人の心を不合理な苦しみに追い込んでいく―。フロイド理論の原点に戻り、「神経症」の解明を通じて人間の真実を追究した語り下ろし。
目次
第1部 心は何を恐れているか(不安の心理;神経症体験;偽りの自我;恋と憎しみ)
第2部 現実の母と現実の私(人間の出発点;自己愛と性格;許せないこと)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
13km
4
対談相手と険悪な雰囲気になるのではと思うほどの鋭い指摘に読んでてハラハラした。許すことが最善の事と思っていたが岸田せんせの話を聞いてそうでも無いのかと。まだまだ解決策は見つからない。面白かったが少しもやもやが残った。2013/08/20
v&b
1
好著。クレジットはないけれど、対話者の編集者にも敬意を表したい。手元に置いておきたい一冊。岸田秀はやはり、相当の人だと思った。2010/12/12
アマテラス
1
『神経症』の事を知りたかったら…まずは読んでみるべき良書。 現在、薬物療法が効果をあげている分野だが…その発症のメカニズムは普遍的なものと思う。
かわけい
0
人の痛覚は身体の危険を知らせる。不安は自我の危機を知らせる信号である。不安とは不幸、不運の想像から生まれる。人間はうぬぼれと自己否定の間で生きているがひとたび不安に支配されると立ちすくんで何もできなくなる。人生の多くは欲望と執着で成り立っている。欲望と不安はコインの裏表である。欲望のない人生は考えられない。欲望があればそれが実現しない可能性が不安となる。不安が背負いきれなくなれば鬱になる。人々は不安のない安定した暮らしのために欲望と執着をできるだけそぎ落として生きてみるがすぐに退屈になって冒険をしたがる。2015/05/25
絵具巻
0
文京区立真砂図書館で借りました。2014/07/04