出版社内容情報
自ら創始したサイバネティックスの本質を数学的記号を用いず平易に述べる。全面的改訳決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はち
4
人間を機械と同じ俎上にのせて考える学問サイバネティックス。その根本思想を一般向けに解説した本。本筋の内容とは少しずれるけど個人的に衝撃だったのは昆虫は脱皮する際に神経系が破壊されるので幼虫から成虫に記憶を移すことが出来ないという点。生物としての構造的固定性が知能を制約するほどの強度だと…。逆に人間の構造的柔軟性は知能のほぼ無限の拡張性を可能とする。理論的には人間の生理を複製したような力学的構造を持つ機械が作れたらそれは人間の知能を複製したも同然だと…?今読んでも刺激的な内容。2022/01/16
ディヴァイン
3
人間の会話や行動を第二次大戦後の世界の変動、マニ教的悪とアウグスティヌス的悪とに分類し、エントロピーの概念などを中心として取り入れていて、読み応えがある。新しい世の中の見方、新しい人間眼が養われるように思えた。2009/05/02