内容説明
藤原鎌足は、大化改新に主導的な役割を果たし、律令国家の礎を築いた。常陸国鹿島の地には、氏神鹿島神宮が鎮座し、今も鎌足の生誕伝承地が残る。大化改新に焦点をあて、鹿島と藤原氏の関係を発掘成果を交え探究する。
目次
記念講演 藤原鎌足とその時代
講演(藤原鎌足と大化改新;「大化改新」論の現在;中臣と常陸)
シンポジウム 藤原鎌足と古代国家
鹿島報告(中臣氏と鹿島神宮;古代の鹿島を掘る)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とんこつ
4
少し古い文献なので要点を押さえるように読了。中臣鎌足、大化改新がキーワードにあるが、歴史は流れで見る必要があるので、射程範囲としては6世紀後半から8世紀前半までの古代日本と東アジア史。古代日本の治世の方向性の舵を大陸の側へと大きく切り替えたのは聖徳太子で、それ以降に長い時間をかけて、律令制(官僚制)が日本で整えられていく。さて、この過程は平和裡に進んでいったのか(大陸文化への純粋な憧憬)、それとも安全保障的な理由が大きかったのか。実際にはその二つが絡み合っているとは思うが、本書のなかでも議論が交わされる。2019/03/11