出版社内容情報
韓国、北朝鮮そして日本……これら三つの領域をそれぞれにまたがり生きる越境者たち。国家に翻弄されまた抗う人々の物語をとおし、日本とコリアの新しい関係を活写した共同通信好評連載の単行本化。
またがる人々の物語―まえがきに代えて―
第１部 日本の中のコリア
第１章 放映されなかった世界戦
第２章 宙に浮く外国人選挙権
第３章 外交文書が語る在日史
第４章 国籍と民族と
コラム 忘れられた皇軍兵士、李昌錫さん
第２部 隣人として
第１章 摩擦から協調へ
第２章 未完の懸け橋
第３章 結 婚
第４章 どっこい生きていく―日韓友好の山里から―
コラム 近くて近い国に思う
第３部 日韓に新しい風
１章 広がる亀裂
第２章 海峡を渡る風―日韓新世紀―
コラム 朝鮮通信使研究家で青丘文化ホール代表、辛基秀さん
第３章 広がる地域交流
コラム 「ゆかり」発言、韓国で好感広がる
第４章 壁が崩れる日
コラム ブームから「定着」へ
第５章 盧武鉉大統領訪日時の演説要旨と天皇のお言葉
第４部 北に向き合う
第１章 イムジン河
第２章 「朝鮮籍」の真実
コラム 北朝鮮に消えた名テノール
第３章 つながる地平
あとがき
日本・コリア年表
「日本コリア新時代」というタイトルには強いこだわりがある。韓国と北朝鮮をまとめて呼ぶ言葉がない。民族としてのまとまりを表現する適切な呼称が、今の日本語にないのだ。韓国では韓民族、北朝鮮では朝鮮民族と呼んで、これは解決にならない。英語の「コリア」しかなかった。「在日韓国・朝鮮人」という呼び方をやめて「在日コリアン」とする言い方があるのは知っていた。日韓関係と日朝関係をまとめて「日本コリア」関係と呼ぶことを、本企画は試みた。私たち取材班はＪＡＰＡＮ・ＫＯＲＥＡを略してＪＫ取材班と自称し、企画をＪＫ企画と呼んだ。
さまざまの場で取材をする記者たちが、それぞれのアングルから「日本コリア」関係を見つめ直した。ボクシングの世界タイトルマッチを運動部や社会部の記者が追った。自民党を担当する政治記者、地方自治を担当する記者、音楽を担当する文化部記者、経済を専門に取材する記者、ソウルに常駐する外信部記者……。併用写真の多くは写真部員が撮影した。次々と自分の領域で問題を掘り下げてみた。記事を執筆した記者の名前は各記事の末尾で紹介した。しかし、ともに取材にあたった同僚記者たちやデスクたちが多数いたことは言うまでもない。（後略
内容説明
放映されなかった世界戦、霧の中の選挙権、秘められた在日史、コリアのルーツに目覚める若者、技術協力の果実、命を捨てた留学生、海を渡る花嫁たち、Ｗ杯は現代の朝鮮通信使、広がる政治の亀裂、よみがえる皇室史、「朝鮮籍」という無国籍、北朝鮮に消えた名テノール…最前線の記者たちが追ったＪａｐａｎ‐Ｋｏｒｅａの２１世紀。
目次
第１部 日本の中のコリア（放映されなかった世界戦；宙に浮く外国人選挙権 ほか）
第２部 隣人として（摩擦から協調へ；未完の懸け橋 ほか）
第３部 日韓に新しい風（広がる亀裂；海峡を渡る風―日韓新世紀 ほか）
第４部 北に向き合う（イムジン河；「朝鮮籍」の真実 ほか）
