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明石ライブラリー
人類学の歴史と理論

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  • サイズ B6判/ページ数 368p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750320540
  • NDC分類 389
  • Cコード C0336

出版社内容情報

現代イギリスを代表する社会人類学者が、人類学と民族学・生物学との関係、欧州を代表する人類学者の理論をもとに、進化論の変化、機能主義と構造機能主義、マルクス主義、相対主義、ポスト構造主義、ポストモダニズムへと変化する理論構造を簡明に展開する。

第一章 人類学への展望
 人類学と民族学
 「四つの分野」
 理論と民族誌
 人類学的パラダイム
  「パラダイム」の概念/通時的、共時的そして相互作用的視点/社会と文化
 人類学の歴史に関わる展望
 まとめ
第二章 先駆者たち
 自然法と社会契約
  一七世紀/一八世紀
 一八世紀ヨーロッパにおける人間性の定義
  野生の子供たち/オラン・ウータン/「野蛮人」にまつわる考え方
 社会学的、人類学的思考
  社会学的伝統/人類の起源と進化をめぐる二つの説
 まとめ
第三章 進化論の変化
 生物学と人類学の流れ
 単系進化論
  メーン、ラボック、モルガン/母系制と父系制/「トーテミズム」理論/「原始」宗教をめぐるタイラーとフレイザー
 一般進化論
  V・ゴードン・チャイルド/レズリー・A・ホワイト
 多系進化論と文化生態学
  ジュリアン・H・スチュアード/ジョージ・ピーター・マードック
 新ダーウィン主義
  社会生物学/象徴的革命?/最近の傾向
 まとめ
第四章 伝播主義と文化領域理論
 伝播主義の先行的学問
  伝播主義者登場以前
 伝播主義土地と労働」:メイヤスー/政治経済とグローバル化理論
 三つの論争
  フリードマン対リーチ:カチンの政治経済/ウィルムセン対リー:カラハリの歴史と民族誌/オベーセーカラ対サーリンズ:キャプテン・クックの死をめぐって
 まとめ
第七章 相対主義から認識科学へ
 ボアズと文化相対主義の台頭
 文化とパーソナリティ
 未開の思考?
  レヴィ=ブリュルの反相対主義/ウォーフの言語相対主義/ウォーフ批判/合理性論争
 認識科学に向けて
  構造的意味論/認識人類学/エスノ・サイエンス
 まとめ
第八章 構造主義 言語学から人類学へ
 ソシュールと構造言語学
  ソシュールと「講義」/主要な四区分/ソシュール以降
 レヴィ=ストロースと構造人類学
  構造主義、様式、思想/親族の基本構造/料理の三角形/オイディプス神話
 構造主義と国ごとの人類学的伝統
 まとめ
第九章 ポスト構造主義、フェミニストおよび独歩派
 ポスト構造主義と人類学
  デリダ、アルチュセールそしてラカン/ブルデューの実践理論/フーコー:知識と権力に関する理論
 人類学とフェミニスト研究
  ジェンダ

日本語版への序文
(前略)本書は人類学理論に関わる、わたし自身の講義ノートから始まっている。何度か草稿を繰り返しているうちに、思想史的な観点、国ごとの相違、偉大な人類学者や新しい視点が与えたそれぞれの影響を考慮するようになった。そのことが、従来の人類学史や諸理論の解説とは別の展開を試みることにつながった、とわたしは感じている。
 執筆に際して、わたしは諸理論の基本的視点を強調した。そして学派ごとの微妙な特徴には注意を払いながらも、できる限り簡潔な記述をするように心がけたつもりだ。ある理論は直截的だったり、特定の人物との結びつきが明らかなものもある。マリノフスキーと機能主義とか、構造主義とレヴィ=ストロースというのは、その例であろう。
 本書では、人類学的思考の展開は先行する理論の収斂、あるいは分岐によって可能になっていることを提示しようとしている。例えばボアズの文化概念があったからこそ、社会を人間の関係性の集合体だとするラドクリフ=ブラウンの考えに連なる。そして今日の人類学者は、出身地にかかわらず、この学問の偉大な先達に敬意を払いながらも、かれら独自の異なる疑問や仮説を抱えている。
 本書の構成は、テ

目次

第1章 人類学への展望
第2章 先駆者たち
第3章 進化論の変化
第4章 伝播主義と文化領域理論
第5章 機能主義と構造機能主義
第6章 行為中心主義、過程論そしてマルクス主義的視点
第7章 相対主義から認識科学へ
第8章 構造主義―言語学から人類学へ
第9章 ポスト構造主義、フェミニストおよび独歩派
第10章 解釈主義とポストモダニズム
第11章 まとめ

著者等紹介

鈴木清史[スズキセイジ]
総合研究大学院大学文化科学研究科修了。文学博士。帝塚山学院大学文学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。