内容説明
セラピーの時間は、クライエントの生活においてはあまりにも短い。クライエントが面接室から離れ、普段の過酷さの中に戻るとき、セラピストは彼らにどういった援助ができるのだろうか?ユージン・T・ジェンドリンとカール・ロジャーズの知見から生まれたフォーカシングは、言葉以前の感情“フェルトセンス”をキーワードに、自分自身のこころのケアを促す方法の一つであり、セラピーの本質を考える上でも重要な要素の一つにもなっている。この「入門」は、そのフォーカシングを心理療法のプロセスの一つとして、いかにセラピストが用い、より効果的な心理援助をなしていくかを説いたものである。
目次
第1章 フォーカシングとは
第2章 傾聴と共感と体験過程
第3章 あなたがあなたでいるために
第4章 クライエントのフォーカシングを促す
第5章 クライエントのフォーカシングがさらに進むために
第6章 どんな技法もフォーカシング的に
第7章 長い経過の中で見るフォーカシング指向心理療法―「自分とのつきあい方を学ぶ」
第8章 フォーカシングをセラピーに生かす―基本姿勢と3つの方向
著者等紹介
日笠摩子[ヒカサマコ]
1985年東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士課程修了。現在、大正大学人間学部教授
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