感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yakisamako
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1950年代革命後のメキシコ、5つの家族(概ね貧困層)の1日の記録。「サンチェスの子供たち」では一人称だったが、これは三人称で書かれている。各家族にほぼ共通しているのは貧乏、無学、暴力。それが悪いという意識もない。金さえあれば心が豊かかと言えばそうではなく、5家族のうち一番の成金カストロ家が一番子供の教育も悪く、粗暴も悪く、自分のことしか考えず、ケチであった。かと言って貧しいけれど心が豊かなのだと言う訳でもなく、下層階級を抑圧するメカニズムを解消しない限りは延々と受け継がれていく、心の負の遺産なのだろう。2021/09/18