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マゾヒズムの発明

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  • サイズ B6判/ページ数 399,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791759408
  • NDC分類 145.7
  • Cコード C1010

内容説明

時代の規範に服従しながらそれをズラしてゆく性的被虐のファンタジー。マゾッホが生きた19世紀の思想・社会状況をふまえ、マゾヒズムの誕生から、フロイト以来の精神分析による変容をたどり、今日のエロスと政治の到達点を明らかにする。フーコー以後の性/身体/権力論の最新成果。

目次

序章 マゾヒズムの発明
第1章 殴られる女、生物学、コントロールのテクノロジー―マゾヒズムの政治学
第2章 理性、情熱、一九世紀リベラリズム―クラフト=エービングとザッヘル=マゾッホ
第3章 罰、贖罪、快楽のテクノロジー―普遍的マゾヒズムの発明
第4章 帝国主義の男、文明化させる女、ヨーロッパのマゾ男
第5章 支配の物語、挫折の空想―フロイトのマゾヒズム観
第6章 死の衝動を超えて―マゾヒズムの歴史・コントロール・ジェンダー化
第7章 消滅し、ふたたび現れる主体―マゾヒズム、近代性、ポスト近代性

著者等紹介

ノイズ,ジョン・K.[ノイズ,ジョンK.][Noyes,John Kenneth]
1955年アメリカ生まれ。現在、南アフリカ共和国ケープタウン大学准教授。専攻はドイツ文学、文学理論

岸田秀[キシダシュウ]
1933年生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了。専攻は心理学

加藤健司[カトウケンジ]
1963年生まれ。慶応大学文学部独文科博士課程修了。現在、洗足学園魚津短期大学専任講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

12
鞭打ちを欧米で体罰として行っていたのに相当前から性的快感を得るツールになってしまい、19世紀には体罰としての機能が崩壊。社会的政治的側面を重視する著者は、処罰し訓練する管理機構の暴力をそっくり模倣して再演し自分の快楽へコード化し直してしまう戦略と、同時に暴力を無害化しエロス化するに留まって個人の一時的消費で終わらせてる両義性をマゾヒズムに見る。マゾッホはもちろんそこからSM概念を創ったクラフト・エビング、古今の文学、精神分析理論を読み解き、秘密警察も強制収容所もヘーゲル哲学もパロディ化する倒錯に迫る力作。2018/03/13

あかふく

1
マゾヒズムを経済的、政治的なものへと近づけていく試み。先行するものとしては、言及はもちろんないが、西成彦『マゾヒズムと警察』があるか。マゾッホが『毛皮を着たヴィーナス』を書き、クラフト=エヴィングが『変態性欲心理』を書いた20年間は、帝国主義的男がリベラリズムによってマゾヒスト化されていく過程でもあった。主体が(それこそマゾヒスティックに)消去されていくようでいて、結局外部の力のコントロールという形で「ゲーム的」に行われる行為がマゾヒズムなのである。表象の世界。サドともつながる(スタロバンスキー)。2013/02/18

なめこ

0
著者のいうマゾヒズムとは、「ある特定の時代にある特定の状況に置かれた個人が自我を守るためにある種の幻想を主体的、積極的に演じることであり、ある特定の必要のもとに発明された行動パターン」である。読みながら、引っかかるところもあったけれど、著者の、マゾヒズムとは、生物学的要素に起因するものではなく、上にいったような、ある社会的、歴史的状況のもとに生まれるものである、という、一貫した主張には、納得させられた。これまでことばにすることができずにいた、自分の、マゾヒズムに対する希望みたいなものが、少しわかってきた。2014/10/22

陽香

0
20020107

毒モナカジャンボ

0
面白すぎる2021/05/18

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