出版社内容情報
〈内容目次〉未開民族における純潔・性・神秘的生 エクスタシー技術と秘密の言語 口承文学 神話の想像力 世界の中心・寺院・家 創造者とその〈影〉 ブランクーシと神話 矢のシンボリズム
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
シャーマニズムの儀式における男女の性の転換や動物の鳴き声や振る舞いの擬態は、シャーマンが憑依されている状態を表すのではない。むしろ、脱魂によって他の何物かに成ることは、人間の身体に組み込まれた時空からの解放を意味する、と著者はいう。本書では特に、シャーマンが擬態する動物の鳴き声を「秘密の言語」と呼び、人間がこの時空に限定される以前の神話的時空の異質な言葉と解される。神話的時空への回帰を促すこの言語に、芸術の原初的モチーフを見出す著者は、ユダヤ・キリスト教の「楽園への郷愁」にもその痕跡がある、と仮説する。2021/07/30
生きることが苦手なフレンズ
2
これで全巻読了。14巻まで出る予定では?と疑問でしたが、監訳の人が亡くなってたんですね。 内容としては古代や未開の宗教、「聖なるもの」の研究から現代社会まで続く「新しいヒューマニズム」を探る的な。 母国では小説家としての方が有名な割に、案外あっさりした芸術観で驚き。2017/04/09