内容説明
読書をめぐる環境ががらりと変わり、困り果てていた出版業界。そんな時に『ハリー・ポッター』が登場し、思いがけない大成功。業界は“ハリー・ポッターの魔法”をお呪(まじな)いのように唱えて商売繁盛の願掛けをしている始末だが、“ハリー・ポッター旋風”は、本の書き方・作り方・売り方・読み方のすべてに、後戻りのきかない変質をもたらす“劇薬”でもある。幸福をもたらす呪いだと思っていたら大間違い。出版と読書の世界に、ひそやかな呪いがかけられてしまった…というわけ。ハリポタ商法をめぐる“のろい”と“まじない”の両方を、じっくり見極めたのが本書なのです。
目次
第1章 イングランドの真ん中に一人の少年がおりまして
第2章 ハリー・ポッターと歴史の捏造
第3章 ハリー・ポッターとお先真っ暗の神殿
第4章 ハリー・ポッターと文化のトンボ返り
第5章 ハリー・ポッターと時代遅れの“読み手”
第6章 ハリー・ポッターと新しい消費者
第7章 男の子は生き残ったけど神様は死にました
第8章 ハリー・ポッターと魔法使いの血筋
第9章 ハリー・ポッターとイギリス“売り込み文句”の貼り直し
著者等紹介
ブレイク,アンドリュー[ブレイク,アンドリュー][Blake,Andrew]
英国キング・アルフレッズ大学・文化研究(カルチュラル・スタディーズ)学部の教授。学部長。文化研究の分野で音楽・文学・スポーツなどの文化現象を考察した数多くの著作を発表
佐藤雅彦[サトウマサヒコ]
翻訳者/ジャーナリスト。1957年札幌生まれ。心理学、教育学、「心身障害学」その他の人間諸科学を学んだ後、地方新聞の記者や雑誌編集者を経て現在は翻訳やジャーナリズムに携わる。関心分野は、科学社会学、生命工学、政治学、政治史、情報論など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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