内容説明
明治三六年、夏目漱石の教え子・一高生の藤村操が日光華厳の滝に投身自殺して空前の自殺ブームを巻き起こして以来、一九八六年の岡田有希子現象、そしていじめ自殺に至るまで。自殺者たちが死をもって提示した「生への窮極の問い」を、近代という時間のなかで追究し、自殺の思想領域を切り拓く類例なき力篇。今を生きるすべての人に。
目次
第1章 華厳の滝・厳頭の「自己」―藤村操の投身自殺を中心に
第2章 複製される自殺―三原山連鎖自殺を軸に
第3章 戦争と自殺―死のう団事件を始まりとして
第4章 戦後への自殺の閃光―原口統三、「光クラブ」山崎晃嗣ほか
第5章 闘争の季節の自殺―岸上大作、奥浩平、斉藤和ほか
第6章 不たしかな「私」たちの自死―岡田有希子現象、大雪山SOS事件、いじめ自殺ほか
著者等紹介
朝倉喬司[アサクラキョウジ]
1943年岐阜県生まれ。早稲田大学文学部中退。『週刊現代』記者を経て、ノンフィクション作家となる
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