出版社内容情報
読者からの声:
この本で、高橋先生の闘争の「日録」は、歴史家であって初めて可能な記録だと実感しました。又、松浦先生 の「紛争の筆頭責任者としての回想」も、1人の英国史研究者が、何故この学生反乱に対峙する事が出来たか を、明らかにする貴重な自分史になってもいると感じました。そしてさらに強く胸を打ったのは、速水先生の 記録にあった「人間存在を懸けて学生と向かい合う」という言葉でした。今の、このふやけきったような日本 の中で、こんなにも緊張をもった言葉を聞く事が出来るとは、思いもしないことでした。この素晴らしい教師 たちと真っ向から闘うことが出来た学生たちは、本当に幸せだったんじゃないかと、つくづく思いました。
(50代女性)『図書新聞』2005年7月9日号-書評から:
1968年ごろから70年代初頭にかけて、全国各地の大学・高校で学生運動の波が拡がり、大きな社会的渦動といってもいいムーブメントが起きた。これまで、様々に当時の運動を総括、再評価した数多くの書物が出されてきたが、ほとんど、運動内部からのものか、メディア側からの資料・記録集のようなものだったように思う。本書はこれまでのどの総括集や記録集とも違う。学生側(全共闘)と対峙していた大学教官たちからの視線で纏められた、初めての記録・報告書である。
内容説明
1960年代、世界中を巻き込んだ大学紛争。学生たちの要求に真摯に向合い、且つ果敢に闘った立教大学文学部の教師たち。35年後の今、この闘争の歴史は継承されているか。
目次
第1部 69年立教大学文学部闘争ノート(日録(発端;新学年の始まり;異議申し立て;大衆団交;長引くストライキ;蒔き直し;追い込み)
69年ノート(『チャペル・ニュース』か;同志たち;「松浦先生のもとで学んだこと」)
新しい大学像を求めて(「六・一九文書」に対する教授会新参者たちの応答;「理念・機構」検討小委員会報告))
第2部 紛争の筆頭責任者としての回想
著者等紹介
松浦高嶺[マツウラタカネ]
1923年東京に生まれる。1948年東京大学文学部西洋史学科卒業。立教大学・フェリス女学院大学名誉教授
速水敏彦[ハヤミトシヒコ]
1927年台湾、台北に生まれる。1950年同志社大学神学部卒業。立教大学名誉教授
高橋秀[タカハシサカエ]
1929年東京に生まれる。1952年東京大学文学部西洋史学科卒業。立教大学名誉教授
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