内容説明
Rita Jordan博士は自閉症児・者を自閉症における中核障害を明らかにするための「研究対象」とみなしません。彼女にとって自閉症者は「支援の対象」なのです。氏は、私たちはこどもの発達を支援していく立場にあること、また、自閉症とは何か、自閉症がこどもに及ぼす影響は何なのか、自閉症であることでこどもはどのように行動せざるをえないのかを理解することの大切さ、あるいは、単に‘自閉症をもつ’こどもとして自閉症児を見るのではなく、自閉症であること以前に、こどもそれぞれの個性を見極めていくことの大切さを繰り返し訴えます。そういった視点から、とりわけ通常の学校に‘統合’というかたちで通っている自閉的な行動特徴を示すこどもたちへの関わり方を、同じように幅広い実践経験をもつ共著者のGlenys Jones氏とともに具体的に書いたのが本書です。
目次
1章 自閉性スペクトラム障害ってなに?
2章 ことばとコミュニケーション―問題と対策
3章 人との関わりを育てる
4章 柔軟性を身に付ける
5章 問題行動の取り扱いと防止
6章 親や養育者とともに
7章 協力する―学校全体での実践
8章 教師のストレスマネージメント
著者等紹介
遠矢浩一[トオヤコウイチ]
1987年九州大学教育学部卒業。1992年九州大学大学院教育研究科教育心理学専攻博士後期課程修了。現在、九州大学人間環境研究科附属発達臨床心理センター助教授。主要著書にコミュニケーションという謎、ミネヴァ書房(共著)。基礎から学ぶ動作訓練、ナカニシヤ出版(共著)
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