内容説明
ギリシア小説からラブレー、そして近代にいたるヨーロッパ小説の諸ジャンルを分析し、作品に芸術的統一を与える「時空間」の形式をあきらかにした論稿。「小説における時間と時空間の諸形式」をはじめとする、小説のジャンル論を収録。
目次
トルストイの劇作品について
トルストイの『復活』について
教養小説とそのリアリズム史上の意義
小説における時間と時空間の諸形式
小説の言葉の前史より
叙事詩と小説
著者等紹介
伊東一郎[イトウイチロウ]
1949年、札幌市生まれ。早稲田大学大学院露文専修博士課程中退。現在、早稲田大学文学部教授。専攻、スラブ文化史
北岡誠司[キタオカセイジ]
1935年、東京生まれ。東京大学大学院博士課程中退。奈良女子大学名誉教授。専攻、文化記号論
佐々木寛[ササキヒロシ]
1949年、盛岡市生まれ。早稲田大学大学院露文専修博士課程中退。現在、信州大学人文学部教授。専攻、ロシ文学、言語哲学
杉里直人[スギサトナオト]
1956年、岐阜県生まれ。早稲田大学大学院露文専修博士課程中退。現在、早稲田大学ほか非常勤講師。専攻、ロシア文学
塚本善也[ツカモトヨシヤ]
1965年、奈良県生まれ。早稲田大学大学院露文専修博士課程中退。専攻、ロシア文学
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感想・レビュー
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roughfractus02
1
トポス(定型表現)が文学に多用される時期を中世と想定したクルティウスは修辞技法が規範として流通するネットワークの出現をこの時代に見出す。一方、著者は中世ルネッサンスをラテン語以外のフォークロアや民衆劇の混交させる最盛期として捉えた。この時期に活躍したラブレーを境に、世界の多様性は減退するとされる、その際著者は、定型表現としてのトポスを出来事の場としてのトポス(道、城、客間、サロン、田舎町)として捉え直し、「敷居」のようなこれらの場で「危機と転生」が混交する点を指摘して、歴史時間の批判的な読み替えを試みる。2017/02/14
山島 小吉
1
小説における時間と時空間の諸形式がすごくよかった。そのよかったを具体的に言えるようにがんばりたい。2012/11/16
Z
0
文学の一つの視点の持ち方として非常に関心。方法論がすべてかなぁ~文学について語るなら。勉強になりました。2014/02/27