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ユダとは誰か―原始キリスト教と『ユダの福音書』の中のユダ

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  • サイズ B6判/ページ数 237,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000023580
  • NDC分類 192.8
  • Cコード C0014

出版社内容情報

「裏切り者」ユダも、イエスの十字架によって救われたのではないか。四つの正典福音書から「ユダの福音書」まで、ユダ像の変容を追い、最大の負の造型の側から原始教会の思想的・政治的ダイナミックスを照らしだす。

内容説明

イエス物語最大の負の造型に、私たちは何を読み取るべきなのだろうか。最初の福音書記者マルコと古伝承とは、復活のイエスに再会するユダを前提にしていた、すなわちこの「裏切り者」、もっとも穢れた者も救いにあずかることを想定していたのではないか。この仮説の根拠を求めて、四福音書から『ユダの福音書』まで、ユダ像の変容を追う。イエスの十字架によっても救われざる者とは、いったい誰か。私たちの内に棲む「裏切り」を一身に担わされた像の成立には、原始キリスト教のどのような思想的・政治的ダイナミックスが隠されているのだろうか。

目次

ユダの共観表
1 原始キリスト教とユダ(イスカリオテのユダ―名称の由来とその意味;イエスとの再会―マルコ福音書のユダ;銀貨三十枚の値打ち―マタイ福音書のユダ;裏切りと神の計画―ルカ文書のユダ;盗人にして悪魔―ヨハネ福音書のユダ)
2 使徒教父文書・新約聖書外典と『ユダの福音書』のユダ(正統と異端の境―使徒教父文書と新約聖書外典のユダ;十三番目のダイモーン―『ユダの福音書』読解)
3 ユダとは誰か(歴史の中のユダ)
ユダの図像学

著者等紹介

荒井献[アライササグ]
1930年生まれ。専攻、新約聖書学、東京大学・恵泉女学園大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Fumitaka

3
少なくともマルコ福音書の時点ではユダはイエスに許されて十二使徒から外されていないように見えるとか、明確に盗人で悪党として描かれているのはルカとヨハネ福音書以後であるとか、「ユダ像」もどうやら長い年月の間に変遷があり、「図像学」においてまとめられている通り、「悪役」としての成立は中世末期からルネッサンス期のようだ(p. 233)。ユダの自殺に関しても、少なくとも旧約聖書の時点では自殺は神の恩寵を拒絶する行為として定義されていた訳ではないとする(p. 68)。この辺やはりアウグスティヌスの役割がでかいようだ。2022/10/15

瀬々

2
接吻を合図に銀貨30枚でキリストを裏切ったイスカリオテのユダ。私が読んだことのある聖書とは異なる「ユダの福音書」に描かれたユダ像は新鮮で、なるほど、と思わされる部分がたくさんでした。ユダの福音書を読んでみたいです。図像もたくさん載っていて興味深い一冊でした。2016/02/24

onisjim

1
謎めいた使徒ユダ。共観福音書だけでなく「ユダの福音書」なども踏まえながらその姿を追う過程はスリリングであり、一般読者を念頭においているのもあってかミステリじみて非常におもしろく読める。付録の石原綱成「ユダの図像学」もよい。2013/03/31

Junichi Kitazawa

0
初期キリスト教の話はなぜこうも面白いのか2014/02/23

偽教授

0
二世紀に存在していたとされるユダ福音書と、現在知られている20世紀に発見されたユダ福音書が本当に同じものかどうか、確かな裏付けはないらしい2013/03/07

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